本棚で眠っていた本を出して来て読みました。


『歌麿殺贋事件』高橋克彦 著


著者は、1983年に『写楽殺人事件』で江戸川乱歩賞を受賞後、浮世絵をテーマとした推理小説を何冊か書かれています。

本書はそのうちの1冊ですが、持っていたことも内容もすっかり忘れていました。

最近興味を持っている歌麿の謎に期待して読み始めましたが、「歌麿=写楽」説や二代歌麿については少し触れているものの、贋作事件を巡る詐欺犯との攻防をテーマとしたミステリーでした。


少し内容に触れます。ご注意ください!


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浮世絵の真贋の見極めができないにも関わらず、カタログや印刷物のコピーを提示されただけで、本物と信じていました。

現代のネット上の偽情報による詐欺事件の増加と重なり、怖さを感じました。


著者は、岩手県生まれで盛岡在住とのことで、小説の舞台として登場していましたが、岡山もまた何度も出て来ました。

古い小説ですが、馴染みある場所がいくつも作中に登場し、行動経路がはっきり追えるくらい正確に描写されていました。実際に取材に来られて、歩かれたのでしょうね。