ジュンさんの奥さんとカフェで

話をした私


奥さんの言っている事は正論で

ごもっともの事だった


こんな小娘に手切金まで準備して


けど、奥さんにとって私はソレだけ

脅威だったようだ


子供すぎて真っ直ぐに好きだと

いう気持ちだけをぶつけてくるから


週末、また、ジュンさんと

会うのだが、どうしたらいいのか

わからなかった


とりあえず、同じような事を

やっているジュンさんを紹介

してくれたRに相談してみた


Rはとっても割り切った考えなので

「そんなの貰っときゃイイじゃん

 なんで返した?」

「なんでって言われてもさ、帯

 ついてる札束なんて見たこと

 ないからビックリしたし」

「別に初めから割り切った

 付き合いなんだしジュンちゃんと

 会わなくなったらお小遣い

 貰えないんだから貰っときなよ」

「・・・」

割り切った付き合いなんだよね

けど、私ひとりが割り切れて

ないんだろうな…


そして、ジュンさんとの

待ち合わせの日がやってくる


いつものように待ち合わせをして

食事をする


奥さんが私に会いに来たことは

話してはいけないような

気がして話せなかった


でも、奥さんが言っていた

無責任で冷たい人という言葉が

妙に引っかかっていた


「ねえねえ、私たちって何?」

「イキナリ何言い出してんだよ?

 何って改めて言われるとなぁ、

 会って食事してデートして

 欲しいものを買って小遣い

 あげる関係」

「ソレは彼女ではないの?」

「ん?彼女にはココまでする事

 ないしなぁ。愛人?なに⁉︎もしや

 彼女になりたいのか?」

「うん…」

「そーれは、ムリだろ⁉︎だって

 オマエも知ってるだろ?オレが

 結婚してんの。何言い出したかと

 思えば…彼氏が欲しいなら他で

 探さないとダメだよ」

「でもね、ジュンさんのこと

 ホントに好きなの!だから

 彼氏なんて出来ないよ‼︎」

「え〜⁉︎OCCOってもっと割り切った

 付き合いのできる頭のいい子だと

 思ってたけど、チョット違う⁉︎」

「都合がいいだけの付き合いが

 できる人は頭がいいの?」

「オイオイ、なんだ‼︎何めんど

 くさい事、言ってんだ⁉︎」

奥さんの言ってた通りだった


無責任な人、面倒な事が起こると

全てがイヤになるようなそんな人


その後は無言で食事をして

デザートもソコソコに上のホテルに

部屋を取り、いつものように

抱かれたのだった


あ〜、男の人ってこんな時でも

性欲だけは満たすんだ…そんな

事を思いながら抱かれていた


抱かれる事で仲直りが出来ると

信じていた


けど、その日はいつもとは違う


行為が終わると余韻に浸る暇も

なく、ひとりでシャワーを浴びて

ジュンさんは帰る準備を始めた


財布の中の札束をテーブルに置いて

「オレは行くけど、明日の10時に

 チェックアウトすればイイから

 オマエはゆっくりしていけ!

 あと、コレは今までのお礼と

 ココからのタクシー代な!

 コレが最後だから、オレの事は

 忘れて彼氏作るといい」

そう言って部屋から出て行った


ベッドで裸だった私は呆然…


一発退場ってこの事ね…


まさか、こんな結果になるなんて

思いもしなかった


その後、1人残された部屋で

泣くだけ泣いて、ジュンさんが

頼んで殆ど飲んでいなかった

シャンパンをガブ飲み


勢いで奥さんに電話をして

「奥さんの言った通り、好きだと

 言ったら捨てられました…」

と、正直に話した


すると奥さんから

「あなたたちが思ってるほど

 大人ってイイ人ばかりじゃ

 ないのよ。コレからは悪い

 大人に引っかかっちゃダメ!

 イイ女になりなさいね。あと、

 お金は私からのお詫びも兼ねての

 気持ちだからどうにかするわ」

ソレだけ言って電話を切られた


私の自分から好きだと言った

1年の恋が終わった瞬間だった