『「うつ」がいつまでも続くのは、何故?〜双極性II型障害と軽微双極性障害を学ぶ〜』というタイトルの本を読みました。
この本はアメリカで双極性障害を専門に活動されている精神科の医師が執筆された本。
双極性スペクトラムの考え方が詳しく説明されていたよ。
この本は、うつ病で治療を続けているけれど、なかなか良くならない、または繰り返すという方が読むと大変ためになる本だと思う。また双極性障害と診断されたものの、診断を受け入れられずにいる方にも有用な本ではないかと思う。
うつに隠れた軽躁の捉え方、抗うつ薬や気分安定薬について、薬物治療以外の方法、その他諸々プラクティカルな内容になっておりました。
だがしかし、双極性障害とすでに診断されており、受け入れて治療を続けている私のような人間には、もう少し読みやすい本があるのではないかと思う。
というのもこの本は、翻訳本が持つ、独特の読みにくさがあり、読書好きな私ですら(読書好きだからこそ?)読むのにかなり苦労したから。なんと購入してから読了まで2ヶ月半もかかっているの。読むのを途中で諦めて、違う本を読んでいるし(笑)
吹き替え版の映画を観ると、映像とセリフの違和感が気になり、内容に集中出来ないことってない?私はとても強くそう感じるタイプなのね。
この本を読んでいると、文書の違和感が気になり、なかなか内容が頭に入ってこなかったんだ。あとがきに監訳をされた日本人医師の文書が記載されていたんだけど、やはり日本語で考え、日本語で書いた文書はなんと読みやすいのだろうかと思ったよ。
そんな中でも、日本の本にはないアメリカ文化が垣間見える興味深い部分もあったのでご紹介。
アメリカの医療制度について
今まで意識したことはなかったけど、そういえばアメリカと日本では医療制度が違うんだった。アメリカは医療保険制度が問題になっていたよね。日本みたいに誰でもどこでも定額で受診出来る訳ではないんだね。金銭的な問題により、通える病院が決められている人が居るみたい。それを思えば、日本は国民皆保険にプラスして自立支援法もあり、なんと患者に対して優しい国なんだと思った。
そして1番の驚きは、精神疾患もプライマリーケア医が診る場合があること。日本には、プライマリーケア医は居ないので、なんとなく内科の先生を想像してしまうんだけどね。日本の医師って、数値で異常がないのに患者が訴える症状についてはすぐに「精神的な問題でしょう。」と匙を投げ何も治療をしないイメージがあり、精神的な問題は精神科医しか診ないと思っていたので、衝撃的だった。
国が違えば、治療環境もかなり違いがあるのだと、考えさせられたよ。
医師とうまくやっていく方法
上記の理由などで良い精神科医を選べない場合の、医師とうまくやっていく方法が紹介されていたのね。それが結構笑える内容だった。小見出しだけピックアップ。
- 小さなことから始めましょう。
- 医師は感謝されたいのです。
- 医師にあなたの質問は時間がかからないと言って安心させましょう。
- 医師は主導権を握っていたい。
- はじき返されても、できる限り前進しましょう。
とにかく医師の機嫌を損ねないように、へりくだって医師を立て、挫けずに少しずつ医師との良い関係を築いていきましょうという感じ。
日本でも医師との接し方は、基本的には同じだと思うけど、日本ではまだ自由に病院を選べるので、割と気楽に「医師も人間ですから相性があります。どうしてもうまくいかないと感じた場合は転院を検討してもいいでしょう。」といったアドバイスを見かけるので、それが出来ないアメリカ(の貧困層)は本当に大変だなと思った。
肥満について
日本でも、向精神薬による肥満は問題だと思うけど、そこまで重要視されていないというか、ある程度は仕方がないとされている気がするのね。私は日本の双極性障害の本を何冊か読んでいるけど、肥満についてはサラッとしか書かれていないと思う。
でもそこは肥満大国アメリカ。この本は肥満について多くのページが割かれていたよ。恐らく、日本人とは比較にならないぐらい太ってしまうのではないかと思う。
肥満に対して、1番おすすめされていたけど、1番実行するのが難しいでしょうとされていたのが「運動!」 それな(笑)
なんだかアメリカ人も大変だな〜と思いながら読み終えたよ。
あとこの本を読むと、誰でも必ずあることが気になると思うんだけどね。
それはまた別の機会に書きたいと思います。
本文にあまり関係のない部分ばかり紹介したけど、本当は双極性スペクトラムの考え方が詳しく書かれた本だよ。もし、長引くうつに悩まされている方がいれば、一読の価値がある本だと思います。
長々と感想を失礼しました。
最後までお付き合いいただきありがとうございます。