前回の続きです。(前回はこちら→その1)
この本の中では、「同調性」が双極性障害の性格特性としてあげられているのね。
さて、同調性とは。
本の中でも同調性を説明するために、ウジェーヌ・ミンコフスキーの例えを引用しているたんだけど、私もさらにそれを引用。(引用の引用。ややこしい。)
2人の青年が日曜日に山登りをしようと計画した。第一の青年は、都会の喧噪から離れて一日を過ごすことを楽しみにしている。山の頂きに立ち、麗しい自然の景観を楽しむ自分を想像する。だが、新聞の気象予報欄は、午後から濃霧になると予報している。しかしこの一日を樹木や岩の間で過ごしたいという願望を抑えることができず、天気予報が誤りであることを願う。彼はでかけるが、案の定、雨に降られる。見えるものはただの霧と雨ばかり。しょげ返って帰路についた彼は、この山登りは失敗だったと残念がる。
第二の青年も、同じように気象欄を読んで、雨の予報を知った。しかしこのために予定を変更しようとは夢にも思わない。あるのは、ただただ登山するという行為である。いったん決心した以上は、まっしぐらに目標に向かう。雨も霧も彼を驚かすほどもものではない。天気予報が的中したまでのことである。彼は山頂に立ち、そして満足して帰路につく。
第一の青年が「同調性」、第二の青年が「分裂性」という性格特性らしいのね。
これは病的なものではなく、外の世界とどう向き合っているかという性格の特性でしかないんだけどね。
感情障害全般に共通して、この「同調性」が強いらしく、特に双極性Ⅱ型の人はこの特性が強いんだって。さらに女性は特に強いと、この本では、クドい位そう書かれていたよ。
その中でも、対人関係の同調性。相手の気持ちを読み、気を使い、頼られることが生き甲斐で、嫌われることを恐れ、自己を喪失し、そして疲れてしまうんだそうな。
うーん?そうかな?
いあ、そういう部分もあるけど、私はちょっと違うかな。気を使う時はすごく使うんだけど、割と周りを気にせず、突き進む時は突き進むし、それこそ双極性で、同調性が強く出る時と、分裂性が強く出る時と、中間の時もあるし。
むしろ一般的な女性に比べたら、私は同調性は低いかもしれない。みんなは、気を使い過ぎって思っちゃうし。
女性って「共感」が好きじゃない?
私は、好きなものは好きだし、嫌いなものは嫌いだし。共感出来ない事や人にまで好かれたいと思わないし。
かといって、孤高で居られるほど強くもなく。気の合う人だけつきあって、あとは距離感のある関係でいいって思ってしまうの。ほどほどなんだと思う、私って。
だから私の場合は、特筆するほど同調性は高くないの。
でも「同調性」について、この本の中で理解出来る部分もあったよ。
双極Ⅱ型障害の事例がきまって言うことは、「悩みをもちかけられる」ということである。そしてもっとも苦手な事が、「他人の悪口を聞かされること」である。これは再現性の高い「所見」である。
(中略)
ある患者は、そのことについて、「陰で他人の悪口を言うということは、私の悪口もどこかで言っていることになります」と説明した。論理的に聞こえるが、むしろ相手に対する直感的な洞察なのだろう。そして多分当たっているのだろう。もう一つ付け加えて置くべきことは、とくに抑うつのときは、自分のことか他人のことか、その区別が曖昧になる。
そうか。と、とても腑に落ちた。
以前、私は「うつ状態の認知機能障害」というタイトルで、同僚から社内の噂話を吹き込まれているうちに、会社中の人が全員敵で、仕事が出来ないと思われていると、感じるようになった話を書いたんだけど、まさにこれが、自分と他人の区別が出来てなかったことなんだと思ったの。
私はその同僚から、私以外の人の悪口を聞かされていたのに、いつの間にか、私の中で、自分への悪口と変換されいたから。不思議だけど、そうなんだよね。
今も、自分と他人の区別がつかなくなる時はある。でもこれは、区別するいい方法を知ったので、次回、それを書こうかなと思っった。きっと他の人も知れば役立つと思ったから。
とりあえず今回は、同調性と、自他の区別がつかなくなるお話でした。
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