友人と飯を食べに行って医療の話になった時のこと。



「いろんな患者さんに文句を言われたら、どうする?」と聞かれて、「一つずつ悩んで考えていくしかない」と答えた。




すると「そしたら悩みがどんどん多くなっていかない?」と言われて、口から出た言葉が……








「対応する術を身に付けるしかないと思う」








その瞬間、友人が失望したように……








「スベなんや……」と言った。








スベって要するに技術であり、「対応する術」とは「対応する技術」であり、いかにうまく対応するかということであるだろう。




友人が失望したのも当たり前だと思う。




「対応する術」を身に付けるってのは、完全に主体が自分側になってしまう。言ってみれば「自分がいかに悩まないようにする技術を身につけるか」と俺は発言した。








明らかにおかしい。








医療において「いかに悩まないようにするか」は患者さんが考えることであり、医療従事者はその考えを持てるようにサポートする役割がある。








いったい自分は何を思っていたのだろう。師匠に教えてもらった倫理観を身につけていないし、自分のことを一番に考えるからこういう発言がでるはずだ。








情けないとかいう問題じゃない。明らかに考えがおかしいし、医療従事者を目指す人間のすべき発言ではない。








しっかり頭を冷やし、猛省をし、「倫理観」を身に付けるとここに誓う。