新型コロナウイルスの影響により、トイレットペーパーの買い占めが起こっているという情報を耳にはしていた。
なんとかなるだろう、とたかをくくっていたら、家のトイレットペーパーがラスト1ロールになっていることに気づいた・・・。
「やべえ・・・。やばすぎる。」
急いで、ドラッグストアに行ってみたら、売り切れ。
スーパーマーケットに行っても、完売。
2軒先のマツモトキヨシにいっても、ない。
終わった・・・。
このままでは、インド式尻拭きを導入するしかない。
つまり、左手だ。
不浄の左手で、尻を拭き、手を洗うしか、もう手段は残されていないではないか。
もしくは、棘や毒性のない葉っぱを、息子の持っている「危険生物図鑑」と照合しながら、摘んできて、紙の代わりにするしかないだろう。
覚悟を決めた矢先、ばあば、じいじより「何かこの騒ぎで、不自由はないか。」とLINEが来た。
さりげなく「我が家は、インド式尻拭きをもうすぐ実行します。」と返信。
すると、再び「明日、車で6時に出発し、そちらにトイレットペーパーを届けます。」と返ってきた。
「いや、わざわざ、我が家のトイレットペーパーのために、ガソリンを使うことはない。明日、開店と同時に並んでみます。」と言ったら、翌朝「もう出発しました。」との返事が。
もう、こうなったら、ありがたくもらうしかないと思い、朝食をとっていると、ピンポーン!!!!!
光のごとく、じいじがやって来た。
「配給車がまいりました。」
両手にトイレットペーパー、ティッシュ、キッチンペーパーを抱えている。
「おお、ありがたい。」
このときばかり、じいじに後光が射していた。
一杯だけコーヒーを飲んだかと思うと、すぐに「用があるから。」と言い残し、家を後にした。
「ありがとう~~!!!!!!トイレの神様~~~~!!!!!!!」
近所中に聞こえるばかでかい声で、息子が感謝の叫び声をあげる。
私たち一家は、トイレの神様ことじいじに、最後まで大きく手を振り、歓喜していた。
「神様~~~~~~!!!!!!!気をつけてね~~!!!!」
周りの住人は、一体何事かと、耳を疑ったことだろう。
新興宗教だと勘違いされていないか、不安だ。
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