家庭内セクハラが横行している。
ポケットモンスターはご存じだろうか。
初期のポケットモンスターは、第2進化、第3進化という風に姿形を変え、少しずつ強くなっていくものだ。
ある日夫が、私と息子にケツを向けながら「たんたんたんたんたんたんたん♪」と楽しいそうに、ポケモンが進化中に流れる曲を口ずさみ始めた。
息子と私は無表情で夫の行動を見守る。
夫はうきうきとズボンを脱ぎ始め、パンツ一丁となる。
「たんたんたんた~~ん♪たたたっったた~~ん♪」
どうやら進化して、ズボンをはいた下半身から、パンツ一丁姿の下半身という第二形態に突入したようだった。
相変わらず、息子と私は無表情で夫の行動を見守っていると、「たんたんたんたんたんたんたん♪」とまたもや進化のBGMが聞こえてくる。早くも第3進化目だ。夫のは進化ではなく、品格の退化だ。
夫がパンツに手をかけようとしたその時・・・!
「ぎゃめんが~~~!ごらぁ~~!!」
すべてを濁音にして怒り叫んだ私。
張り手をして、夫の第3進化目を阻止した。
ゲームボーイならBボタンを連打しているところだ。
第3進化目の恐怖のケツ風貌を息子に見せなくて済んで、ほっとしている。
一度見てしまった日の夜は、寝付けないだろう。
しかし、寝かしつけに「尻太郎」というオリジナル物語を聞かせている夫。
息子はタオルを吸いながら寝る習慣があるが、あんたは自分のケツでも触りながら恍惚として寝ろ!と心の中で叱咤する私であった。
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