前回のお話は、+第28話:産後アロマは好かん+
。
入院前から楽しみしていたアロママッサージに物足りなさを感じた後は、沐浴練習である。
以前の練習では、人形を使用したが、今回は、我が子を実際に風呂に入れられるわけである。
◇
新生児室まで迎えに行くと、息子はぐっすり寝ていた。

「風呂に入れたら、起きて泣くかもな。」
案内されたのは、沐浴専門の部屋で、入浴できる洗面台が2つあった。

「こんにちは!沐浴練習を担当する保育士です。お風呂の準備はしてありますので、まず赤ちゃんを裸にしましょう。」
息子は脱がされている途中で起きたが、何が何だか分かっていない様子だった。
湯に入れると、幸福に包まれた顔になる。

「赤ちゃん大人しいですね~。」
頭を洗っても体を洗っても、蛙のように少々跳ねるが、始終気持ちが良さそうである。
私の風呂好きが遺伝したのかもしれない。
高校時代スーパー銭湯に週1で通っていた女

保育士さんの指導の下、小鼻の周りや爪の先まで丁寧に洗ってやる。

ハネムーンの南国スパ体験ばりに、優しく細やかに施しているので、満足しないわけがない。
風呂上がり、髪、首の下、腿の内側などをしっかり拭いてやり、ベビーローションを体全体にくまなく縫ってやり、新しい下着と服をせっせと着せてやった。

このVIP待遇の王子は、一度も泣くことなく、「良き風呂であった。」と言わんばかりの満ち足りた表情を浮かべていた。
「私の羊水量が多かったから、お湯好きなのか!?」
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