英国北部のハイランド西部に、アイリーン・ドナン城(Eilean Donan Castle)というお城があります。
山々に囲まれ、湖に突き出た半島にそびえ立つその姿は、いかにも「西欧のお城」という雰囲気です。
すみません。逆光できれいに写真がとれませんでした。
ビジターセンターで買った缶の絵を見てもらった方が、雰囲気が分かります。
こんな感じの場所です。
ちなみにこの缶は、ファッジ(fudge)というキャラメルの出来損ないのような英国のお菓子(失礼)の缶です。
英国全土の観光地で御当地ファッジ缶が売られています。
お城の周りは湖と山々に囲まれています。
お城からの眺めがこちら。
英国のミニチュア建物のコレクターである私にとって、この訪問は思い出深いものとなりました。
ビジターセンターで、このお城のミニチュアを買ったからです。
例によって、リリパットレーン(Lilliput Lane)社のものです。
紫色の花々があしらわれていますが、ハイランドのあちこちに咲くヘザー(heather)を表しているのでしょう。
ここに向かう道中、飛行機がトラブルにより行き先を変更して大変な目にあったのですが、機内で隣に座っていた親切なハイランドの女性の助けにより、なんとか目的地にたどり着くことができました。
その女性の名前が「ヘザー」だったので、個人的に忘れがたい花の名前になっています。
お城の公式サイトによると、「アイリーン・ドナン」とは、「ドナンの島」との意味であり、7世紀後半にこの半島にコミュニティを作ったアイルランドの聖人、ドナン司教の名前に由来すると思われるのだとか。
13世紀初頭に海賊対策で要塞化されましたが、紆余曲折を経て18世紀には破壊されて廃墟となりました。
200年ほど放置された後、1911年に島を買った人が城の再建に取り組み、1932年に完成したそうです。
以上の次第のため、城の状態が非常によいです。
英国のお城の多くは廃墟同然ですが、ここはちゃんと内部を歩き回れます。
リリパットレーンでもお城の構造は忠実に再現されています。
上から見てみたら、中を歩き回った当時のことを思い出しました。
ハイランドの片隅からロンドンまで、こんなデカイ割れ物を持って帰るのは正気の沙汰ではありませんが、訪問先で現地の建物のリリパットレーンを見つけるのはコレクター冥利に尽き、気合いで持って帰りました。
これをリュックに入れて、インヴァネスの空港で手荷物検査を受けたところ、空港の職員から「変な影が見えるから出して。」と言われました(笑)。
取り出して見せたところ、「あぁ、こういうのうちの母親も集めてたわ。」などと言っていました。
リリパットレーンのコレクターは、英国人の中年女性が意外と多いんですよね。
このときの旅は、ロンドンから(飛行機トラブルなどを経て)フォートウィリアムまでたどり着いた後、現地生まれのベテラン観光ガイドの運転で回りました。
どぎついスコットランドなまりの英語をしゃべるおじさんで、早朝から夕方まで終始会話を続けたのでクタクタになりましたが、地元の色々な話を聞くことができ、いい思い出になりました。