溺れる船艦 | あかとあお

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むらさきいろの双子*

地下鉄に乗っていると、まるで水中のなかを船艦で走っているみたいな気分になるのは、私だけでしょうか。

船の中で外を見ていたら、心を亡くしてしまったみたい。

あかはやっぱり忙しくて、あおは忘れっぽいのを、いつも注意される。


あかへ、

最近も、あおは変わらず元気です。
ちゃんと息を吸って、吐いて、生きてます。
弱音も吐いているかもしれません。それは、見えないかもしれません。

あの時の私たちは、
二人で出かけて、
撮って撮られて、
作って書いて、描いて作って。

でもほんとは、
笑いあっていればそれで良くって、
今はもう失くしそうな、
純真さを持っていたのかもしれないね。
それが、「こども」ということだったのかもね。


なんて、返信してみたり。




ん~、
ぶくぶくと、音を立てて体が分裂していく。
どうなるんだろ、どうなるんだろ。
もうすぐ、ぽってりと梅が咲くのかな。


文フリに向けて、いろんなお話を漁っていたら、
すごく綺麗な、夢野久作の小説に出会ったよ。
その文末は、こう閉められている。

ー草原は黄色く枯れてしまっている中に、水仙が一本青々と延びていて、青と赤と二いろの花が美しく咲き並んでおりました。

さて、なんの話でしょうか。



ああ、ざくんざくんと、美しい世界に埋もれていたいのにね。

現実は、いくら寒くたって歩かなきゃいけなくて、そんなところで丸まっていられない。

青信号は、進むマーク。


進むのよ、青。