<生活保護費>「積立制度」創設を検討 厚労省
(毎日新聞 - 04月09日 19:15)


 厚生労働省は9日、首相官邸であった国家戦略会議で、生活保護受給者が働いて得た収入の一部に当たる保護費を自治体が積み立てておき、生活保護を抜ける際に本人へ返す「就労収入積立制度(仮称)」の創設を検討する方針を示した。収入が増えた分保護費も減らされる現行制度の原則が働く意欲を失わせているとの指摘があり、同制度の導入で受給者の就労を促す考えだ。年内に具体化し、来年の通常国会への関連法案提出を目指す。

 生活保護を受けている間は社会保険料を払わずともよく、医療費も全額保護費で賄われるが、保護を抜けた途端に負担が必要となる。この点が自立を妨げる一因となっているため、厚労省は労働収入相当額の一部を積み立てる制度を自立・就労支援策の柱に据えて生活保護受給者の就労意欲を高めるとともに、自立後、当面の生活費を捻出できる仕組みを検討することにした。

 生活保護受給者は過去最多を更新し続け、今年1月時点で209万人に達した。08年秋のリーマン・ショック以降は働ける世代が増加しているとされ、政府は税と社会保障の一体改革大綱に、今秋をメドに総合的な生活困窮者対策「生活支援戦略」を策定する方針を盛り込んでいる。【鈴木直】