「あっ、さやかさんや」
菜々の入院する病院の待合室で城が立ち上がり挨拶する
「ゆずが来てるんか?」
さやかが聞くと、城は頷く
「なら、ここで待っとこか」
さやかはそう言って待合室のベンチに座る
大きな総合病院も、土曜日の午後は忙しさを忘れ静寂な空間に包まれる
城はさやかの後ろに立ち、さやかが病院にいる事を他の幹部に伝え、周りに目を絶えず配る
数時間が過ぎ、柚巴が降りてこないので、さやかは見舞いを諦め帰ろうと立ち上がった時、上の階から柚巴が慌てて降りて来た
「どないした!」
城が焦る柚巴に声をかける
「城さん!」
柚巴は泣きそうな目で城に抱きついて来た
「どないした?何があった?」
城は冷静に聞く
「お姉ちゃんの容態が・・・、やから叔母さんに電話を・・・」
柚巴は病院の外で電話をする
「城、ゆずを頼んだ」
さやかはそう言い、ICUへ向かう
大きな窓ガラスの向こう、菜々は酸素マスクをつけ、身体中に管を通され目を閉じていた
さやかはお見舞いの品として持ってきたクロスのネックレスを握りしめる
「・・・神さま、まだ迎えにこやんといて。アイツはまだあんたの元に行くには早過ぎる!頼む!」
さやかは心の中で、呟く
さやかは不意に手を握られ、横を向くと柚巴が涙を流しながら、手を握っていた
さやかは柚巴の頭を抱き寄せ
「強くなれ、お前の姉ちゃんは今必死に戦ってる!あの姿を忘れるな!そして、お前も強くなれ!」
さやかは柚巴を離し
「城!後は頼んだ」
そう言って病院を出ようとすると、入口に血まみれの女とキズだらけの少女が立っていた
「どけっ!」
少女はさやかの存在に気づかず、血まみれの女を抱え奥へと入って行く
「美優紀?」
さやかがすれ違いざまに声をかけるが、少女は気づかずに奥へと急いで消えていった
さやかは仲間に連絡をつけ情報収集を後輩達に命じた、