前回、80年代の音楽はひどかったと言いました。
それからいまさらのように、90年代にはまた
良くなったのだなと述べました。
80年代に入ってラジオ、テレビから聞こえる
音楽がつまらなくなって、チョッパーベースだの
あのいやなドラムの音質だのが嫌いで、
運悪く同じころ60年代の音楽の良さを知って
それに浸りました。
また同じころ、たしか小林秀雄だと覚えていますが、
西洋音楽にとって60年代はどの世紀でも
重要だった、という言葉を読んで素直に信じ、
「これは2060年まで音楽界は仮死したままだぞ」
と勝手に決め付けて、ラジオ、テレビからの音から
離れてしまいました。
そのことが、私が90年代に音楽が復活したことに
気付かなかった理由です。
ただ、Michael Jackson の Bad と Dangerous には
特にビデオに夢中になり、わざわざ水道橋へも
見に行きました。
ほかにも私には音楽についてのマイナスの先入観があり、
それは、「日本人の音楽はだめ。」というものです。
不愉快になった人がいたら御免下さい。
私の味方は萩原朔太郎です。
萩原によると、日本人の得意とするものは、
小説と絵画です。
逆に苦手なものは、詩・哲学・音楽といった
観念的な分野です。
なるほどな、と思わせるものがあります。
しかしよくよく考えると私は竹内まりやも能楽も
好きだし、ARBは結構ですね。
何でも大抵例外はあります。
西洋音楽の楽しさは、ビートと言うのでしょうか、
体の動きを強烈に誘ってくる力です。
「音楽はこうでなきゃ。」と思わされます。
バーロウの Like A Lover という歌などまさにそうです。
好きな人や作品についてはもっと何回も
書けそうです。
おわり