前の現場で一緒だった同じ会社のマネージャはかっこいい人だった
このCM
のオダギリジョーの風貌にかなり近いかも。
細身のスーツが似合う、背の高い32歳の先輩。
配属中の5月GWに、私の目の前で結婚しちゃった。
その現場はたった1週間のスポット配属で、
マネージャとゆっくり飲みに行く暇もなく、リリースになった。
最後の日、エレベーターまで送ってくれたっけ。
「おちついたら、おいしいものおごってあげるね」だって。
これでもう会うこともないんだろな、
バイバイ、イケメンマネージャ。
・・・・・って思ってたのね。
8月、
マネージャからメルアド変更の事務的なメールがきた。
「おいしいものの件、まだ生きてますか?」
数週間後、私はマネージャと食事をした。
仕事で話した印象とはちがって、かなりくだけた会話をした。
食事をした後、
熱帯魚の泳ぐおしゃれなバーでカクテルを飲んだ。
マネージャは酔っていた。
話の話題も夜の内容になり、ただの上司ならまちがいなくセクハラになることも話した。
訴えないのは、私がマネージャに憧れていたから。
(ワタシ、アナタノコトガスキダッタノニ。ワカッテル?)
バーをでたとき、なるべく意識を保とうとしていた私も
さすがに酔っていて、無理してはいてきた7センチのヒールが
ふらふらしていた。
「手、つなぐか。」
マネージャの手はやわらかくてとても熱かった。
そのぬくもりが色あせていた5月の気持を蘇らせて、
まさか、あのかっこいいマネージャと私が今手をつないで歩いているなんて!!!
信じられない。
カラオケ。
実のところカラオケなんてどうでもいい。
これは終電がなくなるための口実だ。
それはマネージャも私も暗黙の了解で分かっていること。
でも口にはしない。
それが大人のルールだから。
それなりにちゃんと歌をうたいながら、
合間にしらじらしい会話をした。
お互い考えていることは同じだろうけど、
すぐにばらしたら面白くない。
だから言葉遊びをするのだ。
「32といってもね、男は単純なんだら、そんなことを言ったら勘違いするよ?」
「勘違い・・・・させてほしんですか?」
「・・・あのさ、いっこだけお願いしてもいいかな?」
「内容によりますけ・・・
たばこのにおいのする薄めの唇が触れた。
あっ、このタイミングなのね。
初めてのキスに勝るものはない。なんでこんなドキドキすんだろう。
なんでこんなせつないんだろう。
なんでこんな幸せになるんだろう。
キスをした瞬間に、我慢していた気持ちが全部伝わってきてしまうから
その瞬間から何かが始まっちゃうのだ