実は今、僕はとっても大変です。
毎日がトウガラシ辛いんです。
といっても、朝の代わりにトウガラシ、昼もトウガラシ、夜も懲りずにトウガラシ、おやつはトウガラシをスティックに、なんてクレイジーな生活なわけはあり ません。
調理に回すのはちょっとだけ。それは売り物だから、逆に生産者の口には遠いんです。
では何があったのか。
随分前から予兆はあったのですが、とうとう福耳トウガラシが収穫しきれないほどなりだしました。
トウガラシのビッグバンです。そこから宇宙が始まって現在も拡大し続けているように、これからまだ収量が増えて忙しさも凄いものになりそうな予感。
これは予想外の事態です。嬉しいのか泣きたいか、どっちか分かりません。
 
むろんこの量を捌くのに、直売所ではとてもとても。
地場市場なら出荷したものが無駄になることはないけど、安いです。全く相手にされていません。
そこでうちは農協を通して大阪の市場に売ることにしました。満杯、ダンボールに詰めて。
少し緩めの選別でバラ詰めです。これは、農協の担当者と僕が話をして決めたことで、いちいち袋に入れるよりは格段に楽な作業だと思います。というか、うち は人数がいないので、これでも精一杯です。
 
夕方、少し早めから収穫を始めて、できるだけがんばります。所謂、日が落ちるまで、というやつです。
収穫したものは、その晩か翌日の朝に選別して、農協分から詰めていきます。これ、いつも思った以上の量ができてしまいます。
最終的にはダンボールと袋詰めができ、ダンボールは農協、袋詰めはその日の判断によって直売所と地場市場に振り分けます。売り先が3つあり、それぞれ受付 時間が違うのでその時間に合わせて車を走らせます。
農協と直売所は朝。丹生川です。地場市場は夕方、高山です。長らく地場市場だけの出荷体制が続いていたから気付きませんでした。忙しい中で時間を割いて高 山まで荷物を運搬するのは、思ったより骨が折れます。
これも全ては地元だけで捌ききれないため。
地場市場へ持ち込む分をなくすことが、現在の課題です。
 
朝から晩まで本当にトウガラシだらけでトウガラシまみれの生活を送っています。以前とは周りの状況も仕事の質も変わってきて、きつい暑さの割には身体は大 丈夫ですが、売るという点に関しては苦戦気味です。辛いです。
トウガラシは甘長の方が人気あることは知っていました。特に飛騨はその傾向が強いですね。
でも、そこをあえて辛にしたのが僕なんです。作りやすくて扱いやすいものを提案して何が悪い。それが僕を貫く支柱となる考え方、だから辛くてもめげませ ん。
辛いものを食べると夏の暑さに打ち勝てそうな気がしますしね。