私の妹みーちゃんが摂食障害で死んだのは12年も前です。
実は、それよりさらに10年ほど前、
私自身が、摂食障害とまではいかなくても、
「ダイエット中毒」の状態だったのです。
二十歳そこそこの体型を気にする年齢だったので、
普通に「可愛くなりたい」という理由でダイエットをしていました。
私もみーちゃんと同じように熱中しやすい性格なので、どんどん痩せようと冷静さを失っていました。
そんな私を想って、
当時はまだダイエットを1度もしたことがなかったみーちゃんが、とある本をプレゼントしてくれました。
スティーブン・レベンクロンの「鏡の中の少女」です。
バレエ教室の少女が、バレエのためのダイエットをきっかけに重度の摂食障害に陥っていく話です。
みーちゃんは、私を怒らせないように
「そんなことしちゃダメだよ」と言わずに「本をプレゼント」というかたちで、
私が間違ったことをしていることに気づかせてくれたのです。
それから時が経ち、
今度はみーちゃんがダイエットにのめり込むようになったので、
私が新しく同じ本を買って、みーちゃんにプレゼントしました。
その本をみーちゃんは読んでくれませんでした。
そのころにはもう、人の忠告を受け入れないほど頑なな心になっていたのです。
これが摂食障害という心の病気です。