インド古代仏教遺跡~アジャンター石窟群 | Life like a journey

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今回訪れたのは、インドの世界文化遺産である、アジャンター&エローラ石窟群。
デリーから最寄りの空港Aurangabadまでは約1時間半、中央インドのデカン高原にある。

到着翌朝、チャーターしたタクシーでホテルを8時に出発。
途中の村々やそこで生活している人々の様子を眺めながら揺られること約2時間。
石窟群を観光する前に、その手前にある展望台へ寄ってもらい、遺跡を俯瞰する。(冒頭写真)

荒涼とした大地に、ワゴーラ川の流れに沿ってカーブする断崖に掘られた大小30ほどの石窟群が
忽然と現れた!
アジャンター石窟群は一番古いものが紀元前2世紀頃のもので、仏教の衰退や国内情勢などから
8世紀頃には放棄されてしまったらしい。
そして1819年に虎狩りをしていたイギリス人によって偶然発見されるまでの1000年以上もの間、
忘れられた存在となっていたのだそう。

ここから坂を下りても遺跡まで辿り着けるけれど(そういって声をかけてきたインド人がいる)
怪しいので車に乗って正規の遺跡入り口へと移動する。 
駐車場からエコバスに乗り換えて、ようやく石窟に到着!(ここまでで約3時間かかった)

 

 観光シーズンの連休ということで、「すごい人混みだろうから、将棋倒しにならないように気を付けて」
とインド人に忠告されたので覚悟して出かけたけれど、あら?ぜ~んぜん混んでない!
並ぶこともなく、人を避けたり人だかりで見えないということもなくゆっくり見学できた。

アジャンター石窟群で見学できるのは1~26窟まで。
年代は前期(紀元前2世紀~紀元後1世紀)と後期(5~7世紀)に分けられ、「チャイティヤ」という
仏塔(礼拝堂)と、「ヴィハーラ」という僧院という機能・構造の異なる2種類の石窟がある。

初期の石窟は、内部には装飾などは無く簡素で、まだ仏像というものが無かった為、礼拝対象として
「ストゥーパ」という仏塔が置かれている。

様々な理由から途中で放棄されてしまった未完成の石窟もいくつかあって、それを見ると、どうやって
この石壁から石窟寺院を掘り出していったのか、その過程が見て取れて興味深かった。



観光のハイライトとしては、後期に造られた石窟の中に残されている壁画や仏像、彫刻などで、
これにはホントに溜息もの。

日本への仏教伝来の影響が見て取れる蓮華手菩薩や、仏陀の前世物語や伝記絵図など、
インド美術の最高傑作ともいわれる素晴らしい壁画が残っている。

 



 
 
仏像が彫られるようになったのは、ギリシャ彫刻など西洋文化の流入の影響があったようで、
後期になると、石窟様々な仏像彫刻が施され、その彫刻も表情や動きが豊かで華やかになってゆく。

インドの仏像は座禅を組んでいるものもあれば、椅子に腰かけているものがあったり、複数の
神様らしい像もあったりと、ヒンドゥー教の要素も少し入ってきていたのかなという印象も。



見学可能な最後の第26窟は細かな装飾、壁画、仏像の彫刻が立派で、ここではタイ人と思われる
仏教徒の団体がお経を唱え、熱心に祈祷していた。


 
 
  
ここにはインド最大と言われている涅槃仏があって、最後にふさわしい締めだったかな。

全ての石窟を観終わってから、川へと下りて自然が造った峡谷美を見、時間も余力もあったので、
遺跡近くの見晴台へ登って、もう一度上から石窟群を眺めた。

 
混雑も無かったし、暑すぎないほどよい気候で、ゆっくり気ままに見学できた。
途中で休んだり佇んだりしながら約5時間もいたことになるけれど、感嘆の連続で、あっという間の
時間だった。 満足。

【旅のTipp】
・アウランガバードからアジャンタまでの道は舗装されているものの凸凹、ガタガタ。
・石窟寺院内は土足厳禁の為、脱ぎ履きしやすい靴で(管理する人はいないので自己責任)
・一度入場すると中に売店は無いので事前に水や食料は用意しておく。
・トイレは和式、紙無し、自分でバケツに水を溜めて流すタイプ
・懐中電灯があると役に立つかも。



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