2006年のメキシコ・スペイン・アメリカ合作映画。

監督・脚本はギレルモ・デル・トロ。

 

●あらすじ●

1944年のスペイン内戦で父親を亡くした少女オフェニア。

母親の再婚相手である大尉の山奥にある駐屯地で一緒に暮らす事になるが、

義父である大尉はとんでもない独裁主義者だった。

そんな時、妖精と出会うオフェニア。

そこには迷宮の番人であるパンが待ち受けており、オフェニアを見るなり

「あなたは地底の王国の姫だ」と告げ、元の王国に戻るために3つの試練を与えた。

 

●感想●

評価:★★★☆☆

 

最後まで見た感想は…、

ロードオブザリングのようなファンタジーストーリーかと思いきや、そうではなく、

え?そういうこと?!っていう衝撃のラストでした。

 

 

 

『昔ある地底に王国がありました。

王国のお姫様は人間世界には澄み渡った青空と海があると知り、

人間世界に憧れて、こっそり城を抜け出し人間世界に行きました。

しかし人間世界の太陽が眩しすぎて記憶を失ってしまい、

自分がお姫様だということ、自分の王国、全てを忘れてしまって、

人間世界を彷徨い餓死して死んでしまいます。

しかし王様は姫様の魂がいつか戻って帰って来ると信じて待っているのです』

 

 

スペイン内戦で父親を亡くしてしまった少女オフェニアは、

母親が再婚相手の大尉の子供を身ごもったことを機に、

山奥の大尉の駐屯地で暮らすことに。

 

駐屯地へ向かう途中で妖精と出会ったオフェニア。

 

 

 

駐屯地での慣れない生活が始まりますが、

母親の再婚相手である大尉はとんでもない独裁者で、

義娘であるオフェニアに冷たく接し、

オフェニアには自分の居場所がありませんでした。

 

 

そんなある日、妖精に導かれ森の奥へ行くと、

迷宮の番人であるパンと出会います。

 

なんでもオフェニアは地底王国のお姫様で、

元の王国に戻るためには3つの試練を満月までに乗り越えねばならないと告げます。

一冊の本を渡され、オフェニアは元の王国に戻るために試練を乗り越えていくことに。

 

まず一つ目の試練は、森の奥の木の下に住む巨大カエルを退治すること。

 

二つ目の試練は、壁にチョークでドアを描き、

その奥にある剣を手にすること。

ドアの奥には豪華な料理があるが決して食べてはいけないという約束を破り、

オフェニアは料理を口にしてしまい、

これに激怒した番人のパンはオフェニアに呆れて消えてしまった。

 

 

 

 

その後、出産を控えていた母親の容態が悪化。

 

マンドラゴラを牛乳に浸し、それを母親のベッドの下に置くと

母親の容態が良くなるというおまじないをしていたが、

それが義父である大尉に見つかってしまい、

おまじないも虚しく母親は出産後に亡くなってしまった。

 

 

一人ぼっちになってしまい悲しみに暮れるオフェニア。

 

一方で外では軍とのゲリラ戦が激しくなっていた。

 

 

しかしそんなオフェニアを側で支えていた使用人の女性メルセデス。

 

オフェニアを気にかけ、

一緒に駐屯地から逃げることを決意するが、

義父である大尉に見つかってしまう。

 

 

 

そんな中、迷宮の番人であるパンが再びオフェニアの前に現れ、

最後のチャンスとして産まれた弟を迷宮の入り口に連れて来ることを告げた。

 

 

最後のチャンスを逃してはいけない!

私は王国に帰るんや!!と、

オフェニアは何とか生後間もない弟を迷宮の入り口に連れ出すことに成功。

 

しかしオフェニアは義父に見つかり射殺され死んでしまう。

 

 

オフェニアは死にながら、

 

「ああ、これでやっと地底の王国へ私は戻れたんだわ。

私は姫様だもの…」

 

と安堵しながら死んでいく。

 

 

しかしオフェニアは姫様でも何でもなかった。

地底の王国も王様も存在しなかった。

 

 

実はこれね、

 

地底の王国も姫様も妖精も

オフェニアの妄想だったっていうオチ。

 

 

戦争により父親が他界、そして母の再婚、義父は独裁者、

わけもわからない駐屯地に住むことになり一人ぼっち。

そんな状況でオフェニアの居場所は妄想の世界しかなかった。

 

次第に現実と妄想の区別がつかなくなってしまって、

妄想を見ながら死んでしまう少女の悲しいストーリーなのです。

 

でもオフェニアにとってはこれで良かったのかもね。

 

 

ありきたりなロードオブザリングとか、

不思議の国のアリスとか、

そんなストーリーかと思いきや、、、そうじゃなかった。

 

ただただ悲しいだけというか。。。

予想外のバッドエンド、という感じかしら。

でもオフェニアにとってみたらバッドエンドではなかったのかも。

 

そこまで面白い映画ではなかったけど、

こういう映画もあってもいいのかもね!

 

ファンタジーっていうより戦争描写のほうが多かったかな。