自分のスタイルを知っていただくとはいえ、なかなか理屈ばかりになってすみません
予告とは異なりますが、少しでも読んでいただき易くするため、後編をさらに数回に分けてお伝えすることにしました
さて、前置きはこの辺にして、早速本題に入りたいと思います。
前回、「佐藤テーラーってどうなの?」ってところで終わりましたが、
そもそも今まで、雑誌やネットでも見たこともないし、過去に○○テーラーという漢字がネームに入るテーラーでの失敗によるトラウマもあり、名前だけ見たときのファーストインプレッションはあまりいいイメージではありませんでした
なんとなく古臭いパターンを使って、イマドキでは無いスーツやジャケットが出来てしまうんだろうか?とか、なんかおじさん臭いフィッティングを提案されるのではないかなど、負のイメージが頭を巡っていました。
今は変わりましたが、昔のホームページは悪く言うと色気がないというか、良く言うと商売気がないと言うか。場所も銀座店とありつつ、あるのは銀座よりちょっと離れた場所.....
大丈夫か??
なんて負のインプレッションを抱えつつホームページを見ていくと、まず目に付いたのがその値段!
カノニコのスーツが50000円一律プラスTAX(※平成22年当時の価格で今は変わっています)で、しかも基本オプション込み!!
また当時はすべてのパターンの画像と説明文があり、その時惹かれたのが初代ナポリモデル(現在は2つのナポリモデルが存在)。もちろん、本場のサルトリアのそれと比較にはならないことは当時でも承知していましたが、日本のオーダーショップの数多くが構築的なパターンや普遍的なパターンを使っていることが多いことからも、ちょっと期待。
曲線的なシルエットで肩はマニカカミーチャ仕様。良い悪いの議論はあるにせよ、総毛芯仕立て。
それにしてもあまりにも安いが大丈夫か
これがダメなら潔く既製に戻るか.....
と、背水の陣で挑み...
(来店過程と作成過程は超長くなるので無視!!)
記念すべき第1着目のスーツが......
画像は自分のインスタの画像を引用しました🙇手抜きしてすみません
立ち方のダサさはそっとしておいてください
今から6年ほど前に初オーダーした、カノニコのグレンチェックのフランネルスーツです。目付きは340g/mなんでイタリア生地にしては結構重め。
しかし.....1着目にしてはかなりド派手
過去の経験から少し攻めてやろうなんてスケベ心を出したせいで、かなりド派手なスーツに.....
当時持ち合わせのネクタイでは殆ど合わなかったため、このスーツのために2、3本買い足したと思います
正直今でもシャツやネクタイなどのトータルでは合わせづらいです
バンチを見るとき、柄単体で見ると見映えしてみえてもいざ作るとなると思ったより派手になることがあります。
そのあたりの個人的な攻略方法はまたの機会に。
しかし、着てみたインプレッションは、、、
かなりいい!!
この初代ナポリのパターンは、肩の雰囲気は本場仕立ての縦のシワが雨降りになるようなマニカのものとは違いますが、首回りからゆきわたが抜かれた肩にかけてなだらかに曲線が描かれ、肩から袖までストンと下に伸びるシルエット。
バスト周りはふっくらと丸みを帯びながら膨らむ。
ラペル周りも第2ボタンから前肩にかけてゆったりと拡がりながら登っていく。
フロントカットは開きすぎ過ぎず第2ボタンから左右の裾にかけて緩やかに流れるシルエット。
日本のパターンオーダーの縫製の中では、ヘタな国内既製よりも遥かに綺麗かと。特に、胸周りの膨らみとラペルロールの為すなんとも言えない立体的な曲線美は、今まで着たことがない衝撃的なインプレッションを今でもしっかり覚えております。
では、なんでそこまで高くない金額で作れるの??
と、こんなところで、いい加減長くなってきたので、次回はそのあたりを、私なりの考えなんかも交えて触れてみたいと思います。それは、お題のとおり私が作り続ける理由の一つです。
お伝えしきれないことがたくさんありますが、少しづつお伝えさせていただければと思います。
では、今回も長文にお付き合いありがとうございましたm(_ _)m