あなたの見た十の角は、十人の王のことであって、彼らはまだ国を受けてはいないが、獣と共に、一時だけ王としての権威を受ける。彼らは心をひとつにしている。そして、自分たちの力と権威とを獣に与える。彼らは小羊に戦いをいどんでくるが、小羊は、主の主、王の王であるから、彼らにうち勝つ。(黙示17:12-14) 

 

七つの頭と十本の角を混同した解釈が多くなされていますが、それらは間違いです。頭と角とは別物です。「彼らはまだ国を受けていない」と御使いが述べているように、ヨハネの時代には、彼らは国家としては存在していません。彼らは子羊と戦い、神の国によって滅ぼされるのですから、終わりの時に「一時だけ」王国を受けることになります。さらに、彼らは「獣と共に」一時だけ支配することになるので、八番目の王とは別の国々であり、第八の獣と共に滅ぼされることになります。

 

彼らが「心をひとつにして…小羊に戦いをいどんでくる」様子が、詩篇83篇に預言されています。

 

83:2見よ、あなたの敵は騒ぎたち、あなたを憎む者は頭をあげました。
83:3彼らはあなたの民にむかって巧みなはかりごとをめぐらし、あなたの保護される者にむかって相ともに計ります。
83:4彼らは言います、「さあ、彼らを断ち滅ぼして国を立てさせず、イスラエルの名をふたたび思い出させないようにしよう」。
83:5彼らは心をひとつにして共にはかり、あなたに逆らって契約を結びます。
83:6すなわちエドムの天幕に住む者とイシマエルびと、モアブハガルびと、
83:7ゲバルアンモンアマレクペリシテツロの住民などです。
83:8アッスリヤもまた彼らにくみしました。

 

ここに挙げられている十の民族が、「心を一つにして」「契約を結んで」イスラエルを攻撃したことは、歴史の記録にありません。従って、これは預言であると考えられます。彼らは、ヨハネが黙示録を記した時点ではまだ国を受けていませんでしたが、オスマン帝国の衰退後に、イスラム教を受け継いだ国々であり、それぞれの民族の領地は、現在、エルサレムを取り巻く、アラブ諸国の領土となっています。

 

十本の角が、間違って解釈されている原因の一つは、「自分たちの力と権威とを獣に与える」との訳出です。「権威」と訳されているギリシャ語は「力」のことであり、KJBにあるようにgive their power and strength unto the beastとするのが正しいでしょう。

人神キリストを崇拝する西欧諸国は、アラブ諸国から産出される石油によって、その力を維持しているのです。

 

この十本の角は、まもなく大いなるバビロンを焼き尽くすことになります。

 

あなたの見た十の角と獣とは、この淫婦を憎み、みじめな者にし、裸にし、彼女の肉を食い、火で焼き尽すであろう。(黙示17:16) 

 

この預言の言葉も、KJBに従う必要があります。次のように書かれています。

 

And the ten horns thou sawest upon the beast, these shall hate the whore,…

 

「十本の角と獣とは、淫婦を憎み」ではなく、下線に示すように「獣の上の十本の角は…」が正しい訳出です。18章にあるように、「地の王たちは、彼女が焼かれるのを見て…泣き悲しむ」のですから、彼ら(西欧諸国)がこの攻撃に加わるのではありません。

 

十本の角は、イスラム原理主義の下に団結して、イスラエルの名を無きものにしようとしているのです。