わたしはまた、一匹の獣が海から上って来るのを見た。それには角が十本、頭が七つあり、それらの角には十の冠があって、頭には神を汚す名がついていた。わたしの見たこの獣はひょうに似ており、その足はくまの足のようで、その口はししの口のようであった。龍は自分の力と位と大いなる権威とを、この獣に与えた。その頭の一つが、死ぬほどの傷を受けたが、その致命的な傷もなおってしまった。そこで、全地の人々は驚きおそれて、その獣に従い、また、龍がその権威を獣に与えたので、人々は龍を拝み、さらに、その獣を拝んで言った、「だれが、この獣に匹敵し得ようか。だれが、これと戦うことができようか」。(黙示13:1-4)

 

ビザンチン王国として繁栄したローマ帝国は、15世紀にイスラム教のオスマン帝国によって征服されました。キリスト教の会堂はイスラムのモスクへと改装され、ローマの「人神キリスト」である八番目の王は、致命的な傷を受けました。しかし、このオスマントルコも、17世紀ごろには衰退し始め、19世紀には、「人神キリスト」を崇拝するフランスやイギリス、ロシア、その他のローマ帝国の残存勢力の圧力に屈していきました。現在、トルコ共和国として残っているものの、NATO(北大西洋条約機構)のメンバー国となっています。

 

こうして、致命的な傷のなおった8番目の王は、現在の欧米勢力を構成し、世界の政治や経済を支配しています。基軸通貨であるドルには、神の名や神の目が描かれ、世界の貿易を支配しています。1948年にはイスラエル国家を力づくで樹立し、エルサレムをその首都として世界に示しました。

 

この獣には、また、大言を吐き汚しごとを語る口が与えられ、四十二か月のあいだ活動する権威が与えられた。 そこで、彼は口を開いて神を汚し、神の御名と、その幕屋、すなわち、天に住む者たちとを汚した。(黙示13:5,6)