すこし間が空きましたが、その5
の続きです。
aについてさらにつっこんで考えましょう。
(  ̄っ ̄) その前にもうひとつ聞きたいことがあるんだけど。
はい、どうぞ。
(  ̄っ ̄) 同じ単語なのに、「数えられる名詞」になったり、「数えられない名詞」になったり、複数形だったりすると意味が変わる単語ってあるじゃない。
んーと・・・ありますね。
(  ̄っ ̄) どうやって使い分けるの?
辞書を引いて、チェックしてください。
ヽ( )`ε´( )ノ ブー!
はいはい・・・。そこの浦和レッズサポーター、うるさいよ。
(  ̄っ ̄) あ、そこの西武ライオンズファンのひと、「はい」は1回ね。
・・・・ちょうどそのことを話そうと思ったので、詳しく見ていきましょう。
基本的な考え方は、ここまでで見た「1つの単位」でいいんです。
リンゴを、スーパーで売っている形1個だからan apple、すりつぶしてしまって売っている形じゃないのなら冠詞なしでapple、複数個あるならapples・・・というのと考え方は同じです。
(  ̄っ ̄) でも、リンゴはリンゴでしょ? 意味は同じじゃん。言っているのはそれとちがうよ。
もちろんわかっています。じゃあ、説明します。
えっと、そうだなあ・・・・たとえばgroundですかね。
「地面」だとthe ground、漠然と「土地」をさすときはground、運動場や遊技場など決まった目的の「場所」はa ground。
「証拠」や「根拠」や「理由」にはgroundもgroundsも使います。
学校の「敷地」だとgroundsと複数形ですね。
(  ̄っ ̄) いやがらせとしか思えないんだけど。
でも、私はすらすら言えたでしょ。
(  ̄っ ̄) ・・・・
こんなの丸暗記で覚えていていたら、どこかでつまずきますよ。
(  ̄っ ̄) どうやって覚えたの?
そんなに知りたいですか?
(  ̄っ ̄) 聞いてあげてもいいよ。
・・・「地面」は前やったでしょ。
(  ̄っ ̄) ああ、共通認識のあるものにはtheをつけるというのか。
そうです。
「地面」と言えば、ここで会話している私たちにはだいたい共通のものでしょ。
出発点が「共通」で「みんな認識がある」だからthe groundです。
(  ̄っ ̄) でも、「土地」だって共通の認識があるじゃん。
いいえ。
「地面」は「私たちのいるこの土地」ということで共通認識がありますが、「土地」はちがいます。
たんに「土地」と言う場合は、相手の知らない農地だったり、空き地だったりするわけでしょ。
「地面」のどこが切り取られているかだってわからないんです。
「ここからここ」という境界がなければgroundとしか言いようがありません。
(  ̄っ ̄) そっか。
もちろん相手が知っている農地や空き地だったらthe groundになります。通常のtheの使い方です。
運動場などの「場所」はわかるでしょ。
(  ̄っ ̄) あ、1単位になるね。
そうです。どこかの「運動場」なら境界がはっきりしてますからね。だから、a ground。
学校の構内には、運動場とか砂場とか花壇などa groundがいろいろあるから、学校の「敷地」はgroundsと複数形で言うわけです。
( ̄▽+ ̄*) なんだかわかってきたぞ・・・・じゃあ、「根拠」や「証拠」は?
groundと言ったりgroundsと複数形になったりします。
(  ̄っ ̄) 使い分けんの?
厳密な使い分けはないと思います。
ただ、「根拠」とか「証拠」という場合は、1つの水源からだけ水がわいてきて川になるみたいなかんじじゃなくて、いろいろな複雑な要因がからんで、それが「証拠」や「根拠」を作っていたりするでしょ。
だから複数形のほうが使われることが多いんじゃないかな。
でも、そういったものが密接にからんで、境界線がよくわからないと感じれば、数えられない名詞として用いるでしょうね。
(  ̄っ ̄) なるほど。
「根拠」「証拠」「理由」などは、1つの単位として誰にでも通用するわけじゃないから、と考えてもいいでしょう。
すくなくとも「リンゴ1個」とはそうとう違いますから。
(  ̄っ ̄) そりゃそうだね。
いろんな意味がある単語を多義語といいますが、名詞の多義語が形によって変わる場合は、このようにここまでで学んだtheやaの知識を使えば、完全とは言いませんが、かなり理解できると思います。
では、次回はまとめとして、aのいくつかの用法を「aは1単位をあらわす」という観点から出発して見ましょう。
(  ̄っ ̄) あーい。