shallは何のためにあるの? 助動詞その5 | 真面目に脱線話@リンガランド英語塾

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英語や芸能など、思いついたことを適当に書いていくという、そういうブログです。

shallの過去形はshouldです。shouldの意味は「~すべきだ」です。


このことを不思議に感じませんでしたか?


(  ̄っ ̄) なんで?


shallは単に未来をあらわすのに、なぜshouldの意味が「~すべきだ」になるのか?


意味があんまり関係なさそうに思えませんか。


(  ̄っ ̄) 言われてみると・・・


shouldはshallの仮定法です。助動詞の過去形を見たら仮定法だと考えることはすでに言っています。


(  ̄っ ̄) このshouldが仮定法? ますますわからない。


助動詞の最初にこう言ったのを覚えていますか?


「shallは主語以外の意志をあらわす。運命をあらわすときは神の意志をあらわしている」と。


(  ̄っ ̄) 言ったっけ?


言ったけど・・・聞き流していたの??


(  ̄っ ̄) ・・・・そう言えば聞いたね!はいはい!聞きました!たしかに!


・・・なんかあやしいなあ・・・ここを読んでね。→助動詞その2


(  ̄っ ̄) ふぁーい


もし、shallの意味に「~するのは神の意志である」の意味があるなら、その仮定法であるshouldが「~するのは神の意志だろう」→「~するのは正しいことだろう」→「~すべきだ」の意味になるのは自然です。


( ̄□ ̄;)!! そ、そうきたか!


助動詞には話し手の判断を示すものと、そうでないものがある。そうでないものでも、過去形、つまり仮定法にすることによって、話し手の判断を示せるようになる、ということです。


\(*`∧´)/ ちょっと待った-!


どうぞ。


(  ̄っ ̄) じつは前回から疑問だったんだけど、mustって「~にちがいない」の意味だけじゃないでしょ。


そうですね、「~しなければならない」があります。


(  ̄っ ̄) 「~しなければならない」というのは話し手の判断じゃないの?


うーむ、日本語にするとそういうふうにも見えるけど・・・


(  ̄っ ̄) shouldの「~すべきだ」とmustの「~しなければならない」とはどこが違うの?


だんだん鋭くなってきましたね。


まず、shouldは本来、話し手の判断をあらわさないshallが、仮定法になって話し手の判断をあらわすようになったもの。これはいいですね。


(  ̄っ ̄) うん


mustの義務の意味は、もともと、話し手の判断ではなく、主語に内在するものと考えられます。


なぜなら、mustの本来の意味は「~するほうへ力が加わる」ということだからです。


(  ̄っ ̄) ??


この部分、ちょっとわかりにくかもしれないんですが、がんばって着いてきてください。


He must go to school.は「彼は学校に行く・・・というほうへに力が加わっている」ということです。

そこから、「彼は学校に通わなければならない」の意味になります。


この意味の場合、力が加わっているは主語である「彼」に対してです。


(  ̄っ ̄) 彼の義務ってこと?


そうです。


それに対して、He must be a teacher.は「彼は教師であるというほうへ、話し手である私の考えが力が加わっている」ということです。


そこから「彼は教師であるにちがいない」という意味になります。


この場合、力が加わっているのは話し手です。こちらの意味では話し手の判断になっています。


(  ̄っ ̄) ふーん。


このように、主語にほうにmustの力が加わるのが「~しなければならない」、話し手に力が加わるのが「~にちがいない」の意味になります。


実際、mustが「~しなければならない」の意味でmust have doneの形になると、「~しなければならなかった」の意味にはなりません。


(  ̄っ ̄) そうなの? どうなるの?


「~してしまわなければならない」という完了の意味です。

He must have done it by tomorrow.なら「彼はそれを明日までに仕上げなければならない」です。


( ̄□ ̄;)!! あ、未来だ!


そうなんです。


「~しなければならない」のmustは主語に対する義務、shouldは話し手の判断としての主語の義務という違いがあるわけです。


同じような意味に見えますが、成り立ちというか、根本的なところがちょっと違っているんです。mustに「~しなければならない」、shouldに「~すべきだ」という訳語をつけた昔の辞書を作った先生方はほんとうにすごいと思います。


僕たちは昔の先生たちに感謝しなければいけない。


(  ̄っ ̄) うん。



足跡 足跡 足跡



後半がすこしわかりにくかったかもしれませんので、もしmustなどの助動詞のついて上のような説明をきちんと知りたかったら、大西泰斗先生の本を読んでみてください。

1つの語についてくわしい説明と例文がしてあるので、わかりやすいと思います。


助動詞については次の本に書かれています。

(アマゾンのリンクです)
ネイティブスピーカーの英語感覚―ネイティブスピーカーの英文法〈3〉



学習者に必要な「ネイティブ発想」について、私は大西先生と考え方が違います(参考 )。ただ、大西先生の基本スタンスは、「複雑に思える意味も、じつはある1つの核から発生している」というところから出発していて、その点は私も大いに賛同していいます。その点でわかりやすい説明をしている多いので、そういった説明が好きな方には参考になります。


助動詞についてさらに続きます。



ネイティブ発想でやりなおし英文法-リンク


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