京都・RITEのその後 | バイオエタノールあれこれ

京都・RITEのその後

みなさまお久しぶりのLignoです。
1年前は、バイオエタノール・ネタがわんさかありましたが、どうも今では下火。
経済産業省も環境相の政策として打ち出しているのになぜでしょう?

農林水産省もやっています。
研究や実証事業ネタは今も継続している様ですが、根本的に見えていない部分があるのではないでしょうか?
しばらくそんなことにも目を向けながら、少しずつ書いて行きたいと考えて、また始めて行きます。

こちらは、毎日新聞さんの11/23の記事。
ちょっと遅くなりましたが、RITEのその後を知って行くためにもお知らせします。

RITEさんは、今年度の第18回「日経地球環境技術賞」大賞を受賞したことでも、注目されている様ですが、果たして・・・

RITEバイオ研究グループのサイトはこちら
http://www.rite.or.jp/Japanese/labo/biseibutsu/01/01_top.html

毎日新聞報道
http://mainichi.jp/area/kyoto/news/20081123ddlk26040311000c.html
※情報元URLを掲載しておきますが、サイトによっては、上記URLが既に消えている場合もありますので、同時にそのコピーを掲載します。

(以下、コピー)
追跡京都2008:稲わらから自動車燃料のバイオエタノール /京都

 ◇食料不足、エネルギー問題 実用化で一挙解決ヘ
 関西文化学術研究都市にある財団法人「地球環境産業技術研究機構」(RITE、木津川市)が、稲わらから自動車燃料のバイオエタノールをつくる研究を進めている。バイオエタノールといえば、トウモロコシを使ったものが米国などで盛んだが、捨ててしまいがちな稲わらを原料にすることで、食料不足とエネルギー問題を一挙に解決する夢のようなバイオ技術だという。実用化されるのはいつの日だろうか? 研究の進展ぶりを追った。【玉置勝巳】

 ◇RITE、12年の生産目指す
 トウモロコシのバイオエタノールは、トウモロコシを発酵させてつくる強い酒と同じもの。つまり、酒を燃料にして車を走らせているようなものだ。トウモロコシの主産国・米国は、9年後にはバイオエタノールを年間1億3000万キロリットル生産し、一方でガソリン消費量を25~30%減らす計画だという。

 しかし、米国のバイオエタノール生産は、トウモロコシ価格の高騰や、作付面積の拡大による大豆などの食料不足を招いている。このため、米国をはじめ世界各国が、トウモロコシに代わる非食料の稲わら、麦わらなどからアルコールをつくる新しい微生物の開発にしのぎを削っている。

 RITEは、7年前に新微生物の研究に着手。遺伝子組み換え技術を駆使して、05年に、わらのセルロース成分からつくった糖類をアルコールに変える「RITE菌」を完成させた。バイオ研究グループリーダーの湯川英明さんは「RITE菌は稲わらからバイオエタノールを大量生産できる優れた菌。わら1キロからバイオエタノール300グラムをつくる能力がある。この分野で我々は世界の最先端を走っている」と自負する。

 バイオエタノールの製造過程を撮影するため、実験室に入った。直径10センチほどの筒状の透明容器の中で、黄土色の液体がかき混ぜられていた。いわば“わらの酒”だが、味の方は「とても飲めたものではないと思いますよ」と研究員が笑った。

 実用化については、06年にホンダの研究開発子会社「本田技術研究所」(埼玉県和光市)と技術提携。09年に国内で大量生産の実証実験を実施する予定で、12年ごろには本格的な生産化を目指している。湯川さんは「日本の休耕田を結集してわらを作り、RITE菌を活用すれば600万キロリットルのバイオエタノールをつくれる計算になる。これは日本の年間ガソリン使用量の10分の1に匹敵する。しかし、採算性を考慮すると、海外の広大な土地での大規模生産も考えて開発を進める必要がある」と説明する。

 トウモロコシという食料で燃料をつくるのは「もったいない」という気持ちが働く。栽培から燃料生産まで、多大なエネルギーが必要で効率が良くないという課題も残る。しかし、わらからつくった燃料で車が走るというエネルギー革命は、もうそこまで迫っている。

==============

 ◇地球環境産業技術研究機構(RITE)
 革新的な環境技術の開発と二酸化炭素(CO2)吸収源の拡大を、国際的に推進する中核的研究機関として90年7月、木津川市の関西学研都市エリアに設立された。本部の研究員数は約130人。CO2分離・回収・貯留技術、植物によるCO2大規模固定化技術など四つの研究グループが活動している。

毎日新聞 2008年11月23日 地方版
(以上、コピー)