今日、「葦牙-あしかび-こどもたちが拓く未来」という映画を観た。
小池征人監督の作品で、
岩手県盛岡市にある児童養護施設「みちのくみどり学園」の子ども達の記録映画である。
みちのくみどり学園は、慢性疾患の子供たちの施設だったが、
時代とともに、不登校の生徒たちを受け入れるようになり、
現在は、入所児の大半を被虐待児が占めているという。
その子供たちが自ら語っているという点で、
今までの虐待のドキュメンタリーとは一線を画する作品となっていると
製作総指揮の武重邦夫氏は語る。
「葦牙」は、葦の若芽のことで古事記に記されている言葉だという。
子供たちの生命力、力強く生きる姿を重ね合わせて命名されたと聞く。
映画の冒頭で、みちのくみどり学園の園長が、
「子供たちが生きてここに来た」と語られるシーンが心に残る。
病気で亡くなる子供たちを見てきたからこそ、
「生きてここに来た」子供たちを、その命を、大切に育む取り組みがなされてきたのだという。
もちろん、試行錯誤も失敗もあったに違いない。
子供たちの心がすぐ癒されるわけでもない。
子供たちが、幸せになりたいともがき苦しみながら生きるそばで、
職員もまた、悩みながらしっかり寄り添ってきたのだろう。
自分を省みさせられる映画である。
私は、言葉に反応するのではなく、思いをを受け止める人になりたいと思った。
虐待は特別なことではなく、普通のことが度を過ぎてしまったところに存在するように思われる。
それ故暴力の連鎖を止めることの難しさも感じたが、
やはり、外的コントロールをやめるという選択理論心理学に希望があると思った。
小池監督は、舞台挨拶で、
「自分の映画は答えのない映画だ」と語っていた。
映画を観た一人一人が感じ考えて答えを出してゆく・・・・・・
映画を観終わった時が始まりの時なのだと感じた。
*この映画を自主上映で広めてくださいませんか。たくさんの人たちに観ていただきたい映画です。