✨巡礼者✨


私達は魂の巡礼者だ。
それは時に孤独で、行き先の見えない旅の様にも思える。
辿り着いた場所で、私は魂の詩を奏でる。
それに共感してくれる人、見向きもしない人、批判する人、賞賛する人、様々だろう。
どの様な時も、私は詩う事を決してやめない。

私の心の中に清らかに流れる小川があり、その流れが止まることがないからだ。
その小川の先には、穏やかな波間が寄せては返す大海原があり、果てしなく続く水平線を隔てた上には、バニラスカイが広がっている。
時の止まった様なその世界には、絶対的な安心感と温もりがある。

小川を登って行くと森林に包まれた小高い山がある。山頂に行くと幾千もの星が瞬く夜空が広がっている。そこでは虫の鳴き声と葉をかする風の音、流れていく星たちの煌めきが全てを包んでいる。

そこから白い大理石の様な建物の奥へ行くと、私の愛しい方が迎えてくれる。
たおやかな長いマゼンタ色の髪をなびかせたその人は、光の私だ。
私はこの場所が好きだ。
私だけの聖域だから。

魂の巡礼に疲れた時、私はここへ立ち寄る。
私だけが訪れる事の出来る場所。

私が宇宙と繋がる場所。
そしてまた、私は巡礼という旅に出る。
私の人生の詩を響かせる為に。
私は魂の吟遊詩人だ。

愛を込めて。