うつの状態、すなわちセロトニンが出ていない脳の状況において、不安感や恐れは普通の状態よりはるかに敏感に感じてしまう。それで心が不安で覆われてしまう。
分かりやすいのがテレビから流れるニュースだ。毎日様々な事件や問題が起こる。人間目の前にそのことが現実において毎日起きたらとても耐えられないが、それは映像であり、他人の事だからスルーができる。同情や感じることはあっても数分後には記憶にない、残らない。逆に世の中で起きている全ての悲しい、苦しい事件に自分が共感してしまったどうなるのだろうか? 共感というよりそれが自分の感情として全てが覆いかぶさってくるのである。苦しいニュースを見たり、聞いたりするときそれが他人事ではなく、自分の恐怖、恐れ、苦しみになる。
そう全て起こることに不安た恐れを感じてしまうのである。脳からセロトニンが出ていればそういったストレスや恐怖心を洗い流してくれる。周りのニュースが問題なのではない、脳が恐怖を感じやすくなってしまうのだ。脳は恐怖やストレスを感じると
ストップしてしまう。メダカが水槽の中で何かに襲われると長期間感じると、そこにいるほかのメダカは動かなくなってしまう。それは恐怖やストレスを長い間感じすぎて、うつ状態になるからだ。
「メダカの水槽に天敵の大きい魚を一緒に入れて飼うというものです。大きい魚には餌をあげて絶対にメダカを食べない状態にするというのが条件です。そうするとどうなるか。メダカはいつ食べられるか分からないという不安と恐怖で、次第にうつ状態になっていきます。水槽の下の方でメダカ同士が寄り添ってじっとしてほとんど泳がなくなります。不安と恐怖が続く状態は、交感神経が緊張した状態です。この状態が2週間くらい続いた結果、うつ状態・適応障害になってしまうというのです。これはメダカだけでなく人間も同じです。」
セロトニンといえば人間活動をするために必要なものという意味が大きいが実は恐怖やストレスを軽減させてくれているという意味でとても大事な役割を担っている。