そのまま八日市場方面に向かいます。そうアレです(笑)
一旦八日市場の駅に出て、線路を渡り海側へ。
しばらく走ってから今度は飯倉の方へ戻り、
田んぼの中の農道を走って到着しました。
アレこと山下りんのイコンがある須賀ハリストス正教会です。
文化財公開という事で、年に7日だけ公開している、今日はその1日なのです。
ここのイコンの説明。
房総の魅力500選の票も立ってました。
しかし、教会は閉まってました。orz
ホームページで問い合わせ先を確認して電話をしたのですが、
埒があかず、諦めて帰ろうかとした時に、となりの農家からおばあさんが
「イコン見学の方ですか?」と声をかけられました。
実はおばあさん、現神父のご母堂だそうです。
どうやら、場所柄(本当に田んぼの真ん中)、始終見学者が来るわけでもないので、
公開日といえども教会に詰めていないんだそうです。
だったら「隣に声をかけてください」って札でもかけとけよ!
と思わなくはないですが、そこは本来公開する必要のないものを
善意で公開してくださっているわけですからね(^_-)☆
門を開けていただいて、礼拝堂の正面。
ハリスト正教会はロシア正教会の系譜です。
十字架が特徴的ですね(十字架じゃない?)
中は撮影禁止なんで、イコン修復費用のために販売されている絵葉書で
雰囲気を見てください。
クリックすると拡大します。
おばあさんはここの初代神父のお孫さんだそうで、
このイコンが届いた時の話(100年以上前なのでお爺さんから聞いたのでしょう)など
いろいろと教えてくださいました。
正教会といえば東京のニコライ堂が有名ですが、
ニコライ堂は関東大震災で焼けているので、山下りんのイコンはありません。
日本でも函館ハリストス正教会とここくらいというお話です。
他にも札幌や森岡、静岡等、数カ所に10枚以上まとまってあるそうです。
山下りんはロシアで正式にイコンを学んだ職人だけあって、
その精緻な筆使い(スフマート技法)は漆喰かと見間違うほど滑らかです。
さらに女性特有の柔らかさと、ロシア正教のイコンにはない
明るさを兼ね備えた独特の世界を持っています。
実はりんさん、ロシア留学中にエルミタージュ美術館で
イタリア絵画(ルネサンス期の絵画?)の影響を受けたと言われていて、
なるほどと思うものがありました。
イコンは驚くほど保存状態がよく、真ん中の5枚は補修されていますが、
それ以外のものも100年以上前のテンペラとは思えないほどの発色です。
一番大きなイコンは神父だけが入る奥の祭壇にあるらしく、
公開されてませんでしが、素晴らしいものを見させていただきました。
来月の20日も公開日ですので、是非、見学に行きたいと思います。
事前にここで募集をしますので、興味のある方は是非。
皆さんに全ての良き事が雪崩のごとく起きます。