1.地獄へようこそ

いい展開が書けた時は気持ちいい。


だが、それは執筆で受けたストレスを執筆で発散しているだけなので、意味はない。



2.仲間を見つけよう

最初に友達に強く頼もう

書き始める前に絶対に仲間を作ろう。1、2人を誘えばよい。

(君が大衆賞を狙いネタに振り切ろうとしているのなら、君自身がシャバいと思う友達は入れてはいけない。)


もし1人で書き始めた場合、単にしんどいのに加えて、途中で見かねた友達が手伝うと言ってきても、新入りに頭の中の構想を洗いざらい話すのが億劫すぎて1人でやった方が楽だという結論になる。


そうしてそのまま最後まで1人で背負うことになると本当に辛い。



また、クラス内で人脈のある異性を脚本チームに引き入れるのもおすすめしたい。


これだけで一気にクラスのやる気が上がるし(多分)、クラスメイトの意見もかなり集めやすくなるだろう。



3.1行2列の表を活用しよう

責任者には昔の脚本が数本公開される。

なぜかみんな横書きなので、横書きで脚本を書く上でのコツを伝える。


Wordの場合、表の外枠を消せる


やり方は各自検索してほしい。Googleドキュメントでも多分できると思う。


1行2列の表の外枠を消すと、こうなる

(文字はモザイクをかけてある)

人物名とセリフを分離できて便利。


ただ、注意点がある。

A4で書くことになるのだが、各ページでそれぞれ別の表を作った方がいい。


私は一つの表を何ページにもわたり引き伸ばして使用したが、こっちにもメリットはあるとはいえ、デメリットの方が大きいと感じた。



4.アイデアに困ったら明日考えよう

これは決してふざけているわけではない。

インスピレーションというのは、環境から得るものである。


私の経験談になってしまうが、「アイデアに困った!」という問題は、大抵時間が解決してくれた。


おすすめしたいのは、帰宅などの時間に、執筆に用いているデバイスをしまって、軽く考えることだ。



5.既存の名作を脚本の観点から見てみよう

漫画でも映画でもいい。

高校生の劇である以上演出は縛られるが、構成は参考になる。


特に漫画の第一話はいいサンプルだ。


第一話が面白い漫画を少し挙げる。(第二話が読みたくなってしまうので、受験期には諸刃の剣だ。)

・地獄楽

・寝坊する男

・怪獣8号

・ドラフトキング

・ファイアパンチ     etc…



6.さっさと完成させてフィードバックをもらおう

私は少人数で考えるのを推奨している。

2、3人いればアイデアは充分出るだろう。


しかし、脚本に長く携わっていない人間の、外からの見え方というのは貴重だ。


自分の意見が反映されるというのは、自分が一員として数えられている実感を生み出す。


要は、クラスの連帯感が上がる。


できるだけ多くの人に配慮し、脚本に納得してもらおう。


アドバイスや意見を募集するとき、名乗らせるか匿名をアリにするかは好みによる。

私は匿名で取ったが、誰かに匿名でボロカスに言われて、特定してぶっ殺してやろうかと思った。


また、脚本は他の全ての作業に影響する

脚本が変更されれば衣装や小道具、最悪背景まで変わる。


準備期間に入ってからは、なるべく早く脚本の最大値を決めよう。


脚本の最大値とは、これ以上キャラや展開が増えないというラインだ。そこからは脚本を削っていくことになる。


これを決めないと、他の班が作業に取り掛かることができない。


この時、せっかく用意したのに不要になる小道具や衣装が減るように、最大値といいつつも、ある程度は取捨選択しよう。どう選ぶかは8番を参照。



7.何を伝えたいか決めよう

劇を通してのテーマを決めなければ内容がブレる。


物語を通じて主人公がどう変化したか、というところに劇の意味が表れる。

よく言われるが、物語とは旅なのだ。スタートとエンディングの場所を揃えるのもいいだろう。


伝えたい内容から逆算して劇を作るのは難しいが、単純明快なストーリーでいいのだ。

もう、「○○な主人公がなんやかんやして改心したり△△なことに気づいたりした」くらいで十分である。

なんやかんやして、の部分で劇を面白おかしくしていくのだから。


プロットを書く際は、こんな感じでテーマに沿ってスタートとエンディングを決めてしまい、中身を考えていくのをおすすめする。



8.テンポを考えよう

展開が遅い物語は客の心を惹き付けにくい。(多分)

しかし物語を進めることのみに徹すれば、ボケがなくなる。


私は今回、ストーリーと笑いを両立しようと試みた。


この場合、全てのシーンは以下の3通りでなければならない。


A.物語を進めるシーン

B.笑いを取るシーン

C.笑わせつつ、物語を進めるシーン


これら以外のシーンは、ノイズなのだ。(世界観や登場人物の性格の提示は、物語を進めるシーンに入る。)


このように、必要なシーンのタイプを決定し、作品のテンポを悪くするノイズを除去しよう。


最優秀賞を狙う場合は、物語を進めるシーンにたっぷり時間を割ける。


その分、ストーリーだけで客を惹きつけるような強靭な構成力と、メッセージ性が必要だ。


...というのは建前で、例年つまらん劇が大体最優秀賞だ。

アドバイスシートにも書いたが、2026の最優秀賞は約ネバの丸パクリである。


誇張ではなく、本家でいう「農園」を学校に置き換えただけで、他は全て同じだ。


正直、審査員が大衆賞と被らないよう忖度して選考しているとしか思えない。


審査員に「大衆賞を取れなさそうなクラスに投票してあげたいけど、完成度で比べると流石にこれを選ばざるをえない」と思わせるレベルの劇を書き上げられる力量がない限り、大衆賞狙いが安牌だ。


私としてはぜひ大衆賞とのダブル受賞を狙ってほしいが。



9.ネタは絶対伝わるようにしよう

次の場合、せっかくのネタが伝わらないことがある。

・セリフ同士の間が短すぎる

・単純にネタがマイナー

・演者の言い方が不適当


一番ダメなパターンは、観客が「これ多分ネタなんだろうな」と察しつつも笑えないことだ。一気に冷める。


私の代では、39Hの劇で、せっかく面白いネタを仕込んでいるのに、入れ方、テンポ、音量等が相まってウケないというシーンが多かった。


というわけで、全てのネタで笑いを取りたい。

となると、手堅いネタを分かりやすい形で入れることが大事だ。


手堅いネタとは、先生のモノマネや、勉強系(参考書、文理イジり等)、ネットミーム辺りだ。


適当になってしまうが、生徒の半分が分かるなら入れていいと思う。



10.(おまけ)プロット例+私の脚本

まず、劇の方向性を変更できなくなってからの期間で、私が思いついてしまったプロットを挙げる。参考にはならない。



プロットA.「ドパガキ兄弟!」(豊臣兄弟パロ)

テーマ:人の一生の価値

江戸時代にタイムスリップしたドーパミン中毒の兄弟が、織田信長に仕え、なぜか電波の繋がるスマホを駆使して天下人を目指すが...


プロットB.「○○、PE消すってよ。」

テーマ:何のために学ぶのか、人間の先入観

とんでもない量の週間課題を出す教科、Practical EnglishことPE(GEのパチモン。名前を出してGEを批判すると学校に怒られるので)を、生徒が協力して教育課程から消そうと奮闘する。敵役は、英語教師とALT。



これらは7番で言ったプロットの作り方を意識して、テーマと初めと終わりを先に決めてある。


Aは、初めにドパガキだった主人公たちが、天下統一後に、その過程で主人公たちがドパガキにした町民を見て、その生き方の空虚さに気づき、改心してなんやかんやして終わり。


Bは、初めは「面倒だから」「非本質的だから」とPEを消そうとした生徒が、英語教師陣との戦いを通じて、自らの先入観に気づいたり、学びの意義について考えを深めたりして、PEに代わる教科とその内容を提案し、それが採用されて終わり。






私の脚本の冒頭。全体は本ブログの2025/12/31ごろに投稿されている記事に載っている

(このアメブロとかいうアプリ、投稿時間を好きにいじれるのである。執筆は2026年夏だ。)


駄作。マジでもう一回やらせてほしい。

ちなみにこの脚本では、今まで挙げた9個のポイントは全く意識されていない。


一応反省点を列挙する。

・展開に説得力がない、強引すぎる

・喋りだけで話を進めているため、単調

・世界観がぐちゃぐちゃ

・テーマがよく分からない

・主人公、というか各キャラに魅力がない




おわりに

賞が取れるかは、全て脚本にかかっているといっても過言ではない。


本記事では、3年の夏という限られた時間の中で濃密な劇を作るためのアドバイスをまとめた。


私たちは素人なので、いきなり完璧な脚本は作れない。


しかし、修正を重ね、願わくはこのアドバイスを活用し、よく練られた面白い脚本を作り上げてほしい。


クラスメイトから色々言われるかもしれないが、少なくとも私は心の底から応援している。


ファイト!