
この世でいちばん大事な「カネ」の話 西原理恵子

佐野洋子対談集 人生のきほん
人生のきほん、の方は書店で見かけてすぐ買っちゃいました。
佐野さんの「がんばりません」を前に買って(まだ読み途中でしたが)、佐野さんづいていましたが、佐野洋子×西原理恵子、という組み合わせは読むべしと思い、。
実は西原さん作品と出会うのは非常に遅くって、昨年くらいの話です。
「いけちゃんとぼく」が映画化されたあたりくらい。
それまでは何となく気にしてたものの、漫画も読んでなかった。
「パーマネント野ばら」とか「毎日かあさん」とかを少しずつ。
この「この世で~」は前々から読みたかった本で、ようやく読めました。書き文字からして勢いを感じるよね(笑)
一応中高生向けなんだけど、このよりみちパン!セ(出版社は倒産しましたが・・・)シリーズはなかなか面白いラインナップです。
ワーキングマザー的にはこんな言葉に付箋(健康診断での待ち時間に読んでたもので(笑))。
何かをやりはじめたとき、誰もが最初にぶち当たる壁は、自分の実力を知らなきゃいけないってことだと思う。
だから思うのよ。
今、自分がいる場所が気に入らなくって、つらい思いをしてる子だって、その「嫌だ」って気持ちが、いつか必ず、きっと、自分の力になる。
マイナスを味方につけなさい。今いるところがどうしても嫌だったら、ここからいつか絶対に抜け出すんだって、心に決めるの。
そうして運よく抜け出すことができたんなら、あの嫌な、つらい場所にだけは絶対に戻らないって、そう決めなさい。
そうしたら、どんなたいへんなときだって、きっと乗り越えることができるよ。
ものすごい波乱万丈な人生をしてきているわけではないけれども、「今この現状が【本当に】嫌だったら何もせずにいるのではなくよりよくするよう動く」という基本みたいなものは自分にもあります。
働くっていうのは、つまり、そういうことでもあるんじゃないかな。
仕事っていうのは、そうやって壁にぶつかりながらも、出会った人たちの力を借りて、自分の居場所をつくっていくことでもあると思う。
(中略)
だから大事なのは、単に「カネ」があるってことじゃない。
働くこと。働きつづけるってことが、まるで「自家発電」みたいに、わたしがその日を明るくがんばるためのエンジンになってくれたのよ。
そう思えたら幸せだなと思います。
うれしいことばかりだと、うれしいことの中に、もう、不満の種を探すからね。それがどこに行き着くかっていったら「これじゃなきゃイヤだ」っていう考え。
雑誌の情報に踊らされて、服はこのブランドじゃなきゃイヤ、恋人もこれくらい収入がなくちゃイヤ、マニュアル通りの条件がぜんぶそろわないと、しあわせになれないと思っているとしたら、それはもう、すっかり退屈してるってことだよ。
アルバイトをして、外の風に当たると、そういう頭でっかちな了見なんて、きっと吹っ飛んでしまうよ。
アルバイト先で叱られれば、次はちゃんとやろうっていう緊張感も生まれるし、そのためにはどうしたらいいかだって、自分の頭で考えるようになる。しょっぱい思いをして、自分のマイナスを知ることで「だったら、こうしよう」って知恵も働く。
だから何も、そのアルバイト自体が将来の夢と直接結びつかなくったっていいじゃない。大人になる前にマイナスを知ること、自分で体を動かして、自分なりの経験を積み重ねることのほうに、より大きな意味がある。
この西原さんの「肉体的実感」に説得力を感じてしまう。
「人生のきほん」は、この「この世・・・」を読んだ後だったので西原さんの会話でのエピソードが非常にわかりやすかったです。
いっぱい喋る西原さんに対し、佐野さんの返しもよい。リリーさんとのもよかったけどね(東京タワー・・・とか実は見ても読んでもない)。