「リアル」





あの「スラムダンク」で有名な井上雄彦が書いている漫画である。





もう連載が始まって10年になるらしいが、いまだに単行本は11巻までしか出ていない。





どうやら不定期連載だかららしく、1年に1巻しか出ないのだ。





そんな「リアル」、実はごく最近になっていきなり興味を持って読み始めた漫画である。





しかし読んで無かっただけで、その存在は前から知っていた。





なぜなら嫁が井上雄彦の漫画が好きなので、結婚した後に発売された8巻と9巻が家にあったから。





そんな「リアル」、その名の通り、主要人物3人が過酷な現実と向き合って生きる姿が書かれた漫画である。





突然体を蝕んだ骨肉腫の再発に怯える戸川。





見知らぬ女性を下半身不随にしてしまい責任を感じる野宮。





この2人の生きる姿もリアルに違いないが、何と言っても私にとって一番リアルなのは高橋である。





事故により一瞬のうちに下半身不随になり、リハビリをする度に厳しい現実を思い知らされる高橋。





そして私自身も、不意の事故により右ヒジを脱臼骨折し、恐らくほぼ間違いなく事故前と同じ状態に戻らないという現実と向き合っている最中である。





まあ私の症状なんて、以前より重たい物が持てなかったり、以前より少しヒジの可動域が少なくなる程度の不自由さであるが、それでもこの先この不自由さと40年くらいは付き合っていかなければいけないとなると、自業自得とはいえ不安感でいっぱいである。





「現実」とは恐ろしい。





ゲームの様にボタン1つでリセットしたり、セーブした時まで戻るなんてことは出来ないのだから。





だいたいどんな漫画でも読む私が、「リアル」の8巻と9巻があるとわかっていて読まなかったのは、途中からじゃ良くわからなかったことが大きい。





しかしさらに言えば、「車イス」だの「リハビリ」だのなんていう、五体満足な人間には関係ないことが書かれていたからってのもあったと思う。





そしてほんの少しではあるが体に不自由を抱えるようになった今、まさに「リアル」が身に染みる。





ベタな展開かもしれないが、この漫画の中で主人公がリハビリに頑張る姿に対し、私は大いに刺激を受けている。





現在、骨折した右ヒジの可動域はそれなりに回復し、多少の不自由は残るかもしれないが、それなりには生活ができるようになった。





なんとなく「ダメならダメでこれでとりあえずいいかな」なんて気持ちがあったのが、「行けるとこまで頑張ってみよう」という気持ちになっている。





医者がビックリするような回復。





完全なる回復。





目標は高く。





リアルと向き合うことを教えてくれた「リアル」に感謝である。