こんにちは。
二年以上前に制作したトートバッグのメンテナンスとショルダーストラップの
改造をさせて頂いたのでちょっとご紹介です。
最初からメンテナンス完了後の写真を掲載します!

いいですねー!!きちんとご使用頂けていたので、クリーム塗布だけでも革に張りと光沢が戻った感じです。
改造した部分のショルダーベルトは、革製のショルダーを付けるとバッグが重くなるので同系色の化繊ベルトとしました。元々、ショルダーベルトを着けるかもしれないということで拡張性を持たせた作りにしてありましたので、金具取付の根革部分もバッグの内袋をいじることなく出来ました。
今回のブログではちょこっとメンテナンスシーンをご紹介します。
バッグというのはどうしても底の四隅の角当たりが起きるので、革の削れや痛みがそこから広がっていきます。

上の写真だとあまりよく分かりませんが、角があったって色が剥げています。
下の画像は作業中にスマホで撮影したので良く見えるかな。同じような状態が四隅で起きていました。

この色が剥げている状態というのは、革の表層である着色された吟面(ギンメン)が擦れて削れてしまい、下の革層が見えてきてしまっている状態です。直すには同じような色の顔料をのせるのが表面を復活させる方法なのですが、調整が難しいのとその部分が目立ってしまうとよくないので、自然な感じに仕上げるために今回は染料でこの部分染色しました。いきなり濃い染料を浸透させるとムラが生じるので、あらかじめ薄めて調整した染料を綿棒で少しずつ塗っていきます。大体乾いたかなという頃合いに仕上げ剤やワックスなどを塗りこみます。

はい、こんな感じでほとんど分からなくなりました。
早くおっしゃっていただけたので、リペア範囲も小さく済み本当によかったなと思います。
持ち主様の元に戻って、また活躍してくれますように!

それではまた♪