こんにちは。
私が教えている英語クラスで
面白いことがありました。
私の教室では
カードゲームを使って英語を学び
ゲームは大抵、ビンゴゲームから
始まります。
私が読み上げた文章と
一致する絵が描かれているカードを
ひっくり返し
縦横斜めにそろったらビンゴ！
子ども達は、
私が読み上げる言葉をじっと聞いて
ビンゴが出たら喜び、
出なかったら残念、
という感じで楽しむのですが
新しく入ってきた
Aちゃんは違いました。
ビンゴが出る瞬間だけでなく
どのカードを読んで欲しいのか
1枚1枚に強烈な念を送ってくるのです。
「Monkey 来い！ Monkey 来い！」
と言う感じ。
そうすると不思議なことに
本当にAちゃんの念じた通りのカードが出てきます。
私は予めカードを切っているので
上から順番にカードをめくっているだけです。
それなのに7割くらいの確率で
Aちゃんの言ったカードが出るのです
そこで私が
「またAちゃんの言った通りになったね。」
と毎回言っていたら
その隣の席に座っていた友達のBちゃんも
競って念を発するようになりました。
「Bee来い！」「Bee来い！」
すると、初めこそAちゃんの一人勝ちでしたが
だんだんBちゃんのカードも出るようになってきて
Bちゃんもゲームで勝つ確率が上がってきました。
この結果を面白がって
今度はCちゃんまで、この念力合戦に参戦しました。
そうして3人が競って大声で念じるので
それはそれは賑やかなのですが
そんな中、ちょっとお姉さんの2人は
静かにゲームに参加していました。
さて結果は
念を発した3人が3人とも
最高ポイントの12ポイントをゲット
おとなしくゲームに参加していた2人は
2人とも3ポイントでした。
たかがゲームの話ですが
1枚1枚、どうなったらいいのかという意思を持つ
そしてそれを大きな声で宣言する。
それが望む結果を引き起こすということが
よく分かる出来事でした。
また、これとは逆のパターンもあります。
あるクラスは
男女差がちょうど半々です。
そこでは、何かにつけクラスを半分にして
チーム戦で戦いたがるのですが
男子対女子になると
毎回必ず男子が大負けし
女子が圧勝します。
実は、ここにも言葉が関係しています。
クラスのムードメーカーの男の子が
ある日、たまたまゲームで大勝ちした
Mちゃんに
「全てのゲームの運の持ち主だ」
と大げさに持ち上げたのをきっかけに
それは始まりました。
それからというもの、男の子は
Mちゃんが少しでも、いいカードをひくと
「さすが、全てのゲームの運の持ち主だ」
と大声で言い続け
それによってクラスの誰もが
Mちゃんはゲームの運が強い！
と思い込むようになり
Mちゃんのいるチームは
いつでも勝利を収めていました。
そのうちにMちゃん本人が
それをプレッシャーに感じて
引きが弱くなってきたのですが
Mちゃんと同じチームの別の女の子が
代わりに強運を引き継ぎ
「こいつもヤバい運を持っているぞ！」
と言う言葉を引き出しました。
その2つの出来事で、
このクラスには
「男子は絶対に女子に勝てない」
と言う強烈なジンクスが
出来てしまったのです。
ですから、ランダムにチーム分けをして
男3 対 女3
のチームになってしまうと
男子チームは戦う前から
「もう終わったー
俺達に勝ち目はない」
と言って膝から崩れ落ち（笑）
女子チームは勝利を確信して
手を叩いて喜びます。
つまり、戦う前から
勝負は決まっているのです。
勝っても負けてもどうということのない
ただのお遊びなので
くそ～くやしい～
で笑って済ませられますが
これが大事な試合や
人生を決めるテストだったりしたら
どうでしょうか。
どんな心持ちで
どんな言葉を発するべきなのか
子ども達がゲームを通して
大事な事を教えてくれました