ふと思い出したことがあったので書きます。

 

 

リーマン超えのコロナショックと言われていますが、

コロナで先行きが不安な方へ

何かしら届けばいいなあと思いました。

 

 

 

 
 
 

2008年のリーマンショックの時、

私は愛知県で自動車製造業に携わっていました。

 


そう!

世に言う「派遣切り」を体験したんです。

 

 

 

一番最初に首を切られたのは外国人でした。

ある日を境に、職場に外国人が

誰もいなくなりました。

 

 

次に日本人の派遣社員が切られました。

 


「そろそろ」と覚悟していましたが、

いつもはタメ口でフランクに接してくれていた

派遣会社の担当の人から

 

「いついつご自宅にお伺いしても

よろしいでしょうか」

と電話がかかってきて、

 

家の中で書類にサインをしました。

 

 

私がこのときラッキーだったのは、

会社の寮を出て自分で家を借りていたことでした。

 


住む場所がある

ということは実は

とても幸せなことでした。

 

 

 

また、自己都合による退職ではないので、

失業保険をすぐに受給することができました。

 


すぐに何か接客業の仕事でもしようと

考えていたのですが、

もしもの為にとハローワークに

手続きに行くことにしました。

 

 

それまでその街の中で

ショッピングモール以上に人口密度が高い場所を

見たことがなかったのですが、

その時のハローワークは凄まじい人口密度でした。

 

 

特に外国人労働者の数が半端なかった。

 

 

彼らは職を失ったとしても、

簡単に帰国することもできない。

 

 

ハロワの部屋の空気の中に

 

「必死」

 

という文字が浮かんでいるのが見えました。

 

 

 

手続きを終えて仕事を探しつつも

ぽっかりできてしまった空白の時間に、

 

「そうだ、今までできてなかった

おうちの棚のレイアウトをしよう」

と思いついた私は、

 

近所のモールの中に入っている

家具店に立ち寄りました。

 

 

 

収納ケースを下見し、寸法をメモしていると突然

 

「ちょっといいですか」

 

と見知らぬ男性に声を掛けられました。

 

 

 

若い外国人の男性でした。

 


「フードコートに来てほしい」と。

 

 

 

 

不信感120%の表情で立ちすくんでいると

カバンから履歴書を取り出して

 

 

「書いてほしい」

 

 

と言われました。

 

 

 

なんだこれは!!

新手のナンパか!!

 

 

と拒否しようと思いましたが、

 

もしかしたら本当に困っているのかも

しれないなあと思い、

話だけ聞いてみることにしました。

 

 

そしたら実際、彼も派遣切りにあい、

次の仕事の応募書類を提出するところだった。

 

 

でも僕は文字が書けない、

あなたはペンを持っていたから、

と言われました。

 

 

僕が話すから代わりに書いてください、

と真剣に頼まれたので、代筆することにしました。

 


私がもし同じように派遣切りにあっていなかったら、

そんな頼まれごとを引き受けてなかったかも。

 


日本語はとても流暢でしたが、

実際日本にきてからまだ数ヶ月しか

経っていないとのことで

驚きました。

 

 

 

一通りを書き終えてから、

面接の場所にどうやって行ったらいいか

わからないと困っていたので、

 

列車の時間を調べ、紙に書き、

乗り方などを教えてあげました。

 


こっちにきてから

日本の鉄道にほぼ乗ったことがなかったらしく、

乗り換えのことなども1から説明してあげました。

 

 

安心したようで、その後ちょっと雑談もしました。

 

彼はペルーから来たらしく、

マチュピチュすごいよ、いつか来てね!

なんていう話をしたあと、

別れました。

 

 

 

 

 

 

 

その数年後、

私は鉄道会社で外国人に案内をするという

仕事に就きました。

 

私が自分の社会人人生の中で

一番長く従事した仕事です。

 

 


今になって、あの時のあれはこう繋がっていたのか!

って気づきました。

 

 


鉄道は鉄道でさらに輪が広がり

いろんな方と繋がって、

 

また英語で話すことも私の普通になりました。

 

 

 

 

普段だったら行動に起こせないようなことも、

いつもとちがう状況にある時、

腹にクッと力が入るような、

ちょっと勇気が必要なことに

踏み出せるんだな

って思ったんです。

 

 

 

自分では当たり前すぎて、

できて当然と思ってるようなこと。

 


なのに実はとても人の役に立てて、

これからの自分と社会を豊かにできること。

 


それに気づけるチャンスがまた

やってきたんじゃない!!?

と思っちゃいました。このコロナタイム(^^)

 

 

不安の真っ只中にいると、

不安しか見えなくなっちゃいますよね。

 


でも、

どんなことも、

次に繋がっていくから

今の時間は貴重だと思います。

 

 

 

さあ!!これから何が起こるかな???