「イリヤの空、UFOの夏」秋山瑞人 | 今日もライトノベルを読む予定はない

「イリヤの空、UFOの夏」秋山瑞人

また中ニ臭い物を読んでしまいました。「イリヤの空、UFOの夏」です。

$今日もライトノベルを読む予定はない


この小説を読もうと思ったのは、何と言っても例のコピペです!

-------------------------------------------

同じ画像なりマークなりを毎日見せることによって、
それがあっても、それが目に付いてもおかしくない、
不自然ではない状態にすることは洗脳の第一歩だよ。

仮に君の部屋の壁紙に
普通では視認できないメッセージが刷り込まれていたらどうする?
連日連夜、気づかれないように少しずつ少しずつメッセージを刷り込んでいくんだ。
時々、突然気分が悪くなったり、めまいがしたことはないか?
金縛りにあったことは?
お昼ごはんを食べたのを忘れたことは?
大きな都市が丸ごと停電する夢を見た経験は?
球形プラズマ、蜃気楼、観測気球、写真に撮るとしたらどれ?
マンテル、チャイルズ・ウィッティド、その次は?
『アルミホイルで包まれた心臓は六角電波の影響を受けない』というフレーズ知ってる?
螺旋アダムスキー脊髄受信体って言葉に聞き覚えはある?
さっきからずっとあなたの後ろにいるのは誰?

-------------------------------------------

このコピペが、この小説から引用されていると知った瞬間、私は図書館に予約をいれていました。

感想としては、もう私の趣味どストライクなSF電波中二青春小説でした!

SF好きの中学二年生の主人公(中ニ男子)は、夏休み中、近くの謎の軍事施設を監視して過ごします。
夏休み最後の日、忍び込んだ学校のプールで、彼は一人の女の子と出会う…

あぁ、最高すぎる!もうこの掴みだけでゾクゾク来てしまいますね。
未だにUMAを探しに行ったりしている私にとっては、ノスタルジーと親近感で胸がイッパイになりました。

文体はかなりクールで、昨今の萌え萌えラノベタッチではなく、かなりすらすらと読めます。
ですが、進路の第一希望が「CIA」な新聞部の部長や、主人公をストーキングする妹など、味のあるキャラたちが物語に華を添えます。

しかし、何と言っても見所は「伊里野 加奈」でしょう!

主人公がプールで会った、謎の軍事施設にすむ謎の転校生である彼女は、一言でいうなら「長門のプロトタイプ」です!

無口クールで完璧な能力、しかしどこか抜けた性格が愛嬌たっぷりの…宇宙人…なのか?

暗い雰囲気の近未来的世界感、その世界を2分する戦争が目前に控えている不穏な空気感などのバックグラウンドも、今後の伏線として多いに期待したいところです。