今日は入院していた病院の看護師さんの対応や、

友達や義母さんなどの周りの反応や言われたこと、送られてきた文章などで辛かったことを書き留めておこうと思います。


大前提に、

《妊娠、つわりは病気じゃない》《産めば終わる》と世間的に言われ、それが医師のみならず男女間共に認知されていること。

《たかが10ヶ月。人生はもっと長い。もっと辛いことを経験することがたくさんあるよ》

という、これまでの皆さんの様々な人生経験からくるものなので、

決して悪意があったわけではないことは私も理解しています。


ただ一番しんどくて辛くて毎日、

死にたい、誰か殺してほしい。

と思って思考もおかしくなっていた頃だったので、

愚痴や批判的な表現も一部あるとおもいます。


ましてやつわりは本当に一人一人症状が違い、

私のように妊娠7週目~37週の現在もつわりで苦しんだ経験がある人は少ないかと思います。

大体は9週目~12週目の約1ヶ月にかけて

つわり症状が出て13週目以降は落ち着く、

というのが、ネットの情報や医師からも実際言われる事です。

その症状もそれぞれ吐きづわり、食べつわり、よだれつわりなどが代表的です。


そんな中でも私は妊娠7週目から

毎日20~30回の嘔吐。喉からの吐血。胃酸による舌の痛み。

食事は臭いで毎回嘔吐。

食べれたのは白米1日合計50g前後。食パンのみ。

四六時中の強い吐き気で夜寝ていても30分~1時間おきに嘔吐。

などの症状と毎日戦っていた時のことです。


入院した当初1~2週間は看護師さんたちも

「辛いですね。徐々におさまっていきますからね。何かしてほしいこととか、楽になることはありませんか?」

と体調チェックの度に聞いてくださいました。

看護師さんは大体10名ほどの方がローテーションで、毎日朝と晩で交代されていました。

私が入院していた病院は産婦人科でしたが、

大きな病院だったので妊婦さんだけではなく、女性特有の病気や手術などで入院されている方が多く、

重症悪阻(おそ)で入院しているのはおそらく私だけで、

毎週入れ替わり立ち替わり患者さんは変わっていきました。

私が看護師さんにしてもらえることは主に、

朝晩の体調チェック(検温・血圧測定)、

点滴の交換、吐き止めの注入、吐き袋の交換。

これも入院して1ヶ月ほどはナースコールをしなくても点滴が終わる時間などをきちんと共有してくれていたのか、ナースコールをしなくても点滴の交換をしてくれました。

しかし入院2ヶ月目に入ると徐々に、点滴が終わっても何時間もほったらかしにされて、

血がチューブに逆戻りし出したり、

そのまま血が針の中で固まってしまったり詰まったりして針の刺しなおしをしたりすることに。

吐き袋も最初は嘔吐するたびにナースコールをして回収して新しい袋をくれていましたが、

看護師さんによっては新しい予備袋を、

朝の体調チェックの時に何十枚も置いていかれ、

吐いたやつは机に置いといて下さい。

食事の配膳の時に回収しますから。

と言われ、食事がくるまで自分が嘔吐した袋と共に過ごす日もありました。

そのうち、看護師さんの間で私のナースコールは緊急ではないと認知されだしたのか、

ナースコールをしてもすぐに来てくれる方はほとんどおらず、

コールしてもマイクから

「どうされました?」

「点滴が終わりました。」

「あとで伺います。」

から30~40分放置され、

またナースコールをしてようやく来てくれて点滴を交換してもらえることが多かったです。

私も日を追うごとにどんどんつわりが酷くなって、まともに喋る事もできない日が1ヶ月ほど続きましたので、

不満や不安を誰にもいうことが出来ず、

旦那さんにも一度、看護師さんの対応がだんだん酷くなっているとメールで相談しましたが、

旦那さんも

病院なんてそんなもんじゃない?

もぅちょっと様子みてみよう。

といわれたくらいで、

私も毎日とにかくしんどかったので、

看護師さんの態度や対応に、

それ以上気は周りませんでした。


入院2ヶ月を過ぎた頃から、友達や仕事の同僚から「体調どう?」という連絡を多数もらいましたが、

私の状況を知らせると

「つわりってそんな酷くならないよ!何か違う病気じゃないの!?」

「そんな酷いの!?聞いたことない!私はとにかくマクドナルドのポテトといちご食べてやり過ごしてた!」

「つわりって本当にそれぞれあるって聞いてたけど、だいぶエグいな。

とりあえず気分転換大事!外出てる?

病院の中でも散歩とかしてみたら?」

「吐いてもとにかく食べないと!ベビーに栄養与えてあげて!ピンポイントで食べれるものがあるからとにかく食べてね!」

「つわりは病気じゃないから大丈夫。テレビとか好きな音楽聞いて気分転換が大事よ。」

「つわりがあるのは赤ちゃんが育ってる証拠!つわり経験できるのもいまだけ!頑張れ!」

と、

いま見れば普通に応援してくれている、心配してくれている、アドバイスしてくれている文章にしか感じませんが、

当時はもぅ、

《あなただけがおかしいよ》《気分転換してないから悪くなってるのよ》と言われてるような気がしました。


そして嘔吐することが一番苦しくて恐怖だったので、食べろと言われることのストレス。

気分転換したくてもテレビやスマホの声や光、

CMで流れてくる食べ物の画像などでも嘔吐するし、体制をかえたり立ったり座るだけでも嘔吐する状態で、

《気分転換しよう》

が一番嫌な言葉でした。


気分転換できるくらいの体調ならとっくにしてるし、音楽だって聞いてる。

手の位置を変えたり、立って歩けばその振動や臓器の動きで嘔吐するのに、どうやって散歩しろというの?

吐きながら歩けっていうの?

と、どんどん卑屈になりました。


そしてお見舞いに来てくれていた義母さんからは、

「最近の子は本当にデリケートよねー。

私らの時代でつわりで入院なんてしたひとなんて周りで居ないわよー。

私はつわり無くてね、ただずっと眠たかっただけ。

みんなそんなもんよ~。」

と言われたのが一番ショックでした。

そして来るたびに今週行ったランチの写真を見せられて、

「美味しそうでしょ~?病院ではこんな食事出ないから見てるだけで気分転換ならない?

元気なったら一緒に食べに行きましょうね~」

と、その見せられた食事の画像が何日も頭から離れず嘔吐し続けました。


本当にそれぞれつわり中の症状や状態、

言われて嬉しかったこと、悲しかったことや感じ方は違うと思います。

ただ、四六時中嘔吐して苦しんでる妊婦に対して


《気分転換してみよう》

《赤ちゃんのために食べよう》

は本当に禁句だと思いました。


確かにつわりは病気ではないです。

でもつわりに効く薬は未だにないし、日々良くなることもないです。

食事、洗顔、歯磨き、入浴、基本の活動をするだけで症状が悪化するので、

寝たきりになるしか選択肢がありません。


つわり経験のないかたや、妊娠している奥さんをもつ旦那さんには、

想像してもらえるなら、

インフルエンザで高熱が出ている真っ最中のときや、

胃腸炎や二日酔いで嘔吐や下痢がピークのときに

《外に出たら元気になるよ》

《吐いても食べないと良くならないよ》

と言われたらどう思いますか?ってことです。


風邪や病気は薬で緩和されていきますが、

妊婦のつわりは薬もないので、緩和されることもないです。

週を重ねればもちろん良くなる事もあります。

でも明日良くなる、明後日良くなるなんて保証もないまま、お腹では別の命も育てているということを今一度想像した上で言葉がけをしてほしいです。

《頑張れ》ではなく《頑張ってくれてありがとう》の方が嬉しいですし、

同じ女性でも何か言葉をかけていただけるのなら、

とにかく共感してほしいです。

《私はつわり経験してないから分からないけど》

ではなく、

《辛いね》

《また良くなったら連絡待ってるね》

の一言のほうが正直嬉しいです。


つわりがある妊婦さんが頑張っている、

つわりがない妊婦さんは頑張っていない、

とか、どちらが凄いとかはもちろんないです。

妊婦さんはそれぞれの苦しみや辛さと戦って日々過ごしています。

長い人生の中で

たかが10ヶ月、

されど10ヶ月です。

つわりの治療方法は《出産》です。


10ヶ月苦しむ妊婦も居てるって事を

頭の片隅で覚えていてほしいです。