妊娠9週目。

入院3週間目。


口から自力での食事がほぼできないまま一週間が経ち、体力が無くなってきたのか、

ベッドから起き上がることすら苦痛で、

それとともに来る強烈な吐き気。

吐くことが辛くて、なんとか吐かないように体制を変えたり、頭や身体の位置を少しでも動かさないように常に同じ体制でベッドに毎日張り付いていました。

良かったのは、赤ちゃんが無事に成長し続けてくれていること。


朝だけは吐き気が少しましで食欲があり、

パンだけは毎朝食べることができました。

でもそれも一時間以内には嘔吐。

水分も吐く恐怖から一滴も飲めませんでした。

昼御飯と晩御飯は相変わらず運ばれてきた瞬間に嘔吐。

4分の1だけ白米を食べてはまた嘔吐の繰り返し。


この頃、仕事場から退職の手続きが終わった連絡とともに、

同僚からたくさんの励ましの連絡がきていましたが、

携帯を見る動作と、見た時の光に強烈な吐き気がくるので、

誰にも返信することができませんでした。

毎日無音でベッドに張り付いて天井だけ見つめて、朝の主治医の回診、朝晩二回の看護師さんの体調チェックと、旦那さんが週3~4回来てくれる15分のお見舞い、

その時間以外で声を発することもなく、

あとは嘔吐するのみ。


そして入院3週間を過ぎたこのころから、

水分補給が出来ないことから、血管が細くなりすぎて点滴が漏れ、針の刺し直しが1日に4~5回行われました。

刺し直しの度に看護師さんが3~4人入れ替わり立ち替わりで血管を探し、刺してみても血管に入らず、

また抜いては刺し直しの繰り返し。

これが毎回叫ぶくらい痛くて、看護師さんにも何度も謝られましたが、点滴ができなければ母子共に危険な状態になるのは明白なので、

看護師さんも必死でした。

足の血管にも刺されトイレに行くのに難儀しましたが、

手の甲が一番痛かったので、

手の甲に刺すのは最終手段にしてほしいと伝えました。


そんな頃、義母がお見舞いにきてくれました。

私の様子に驚いていましたが、

義母はつわり経験が全くなく、

私の状態が理解できず

《最近の子は色々デリケートなのね~》

と、一言言われた時には

悲しさ、辛さよりも、

あぁ、これって異常なんだなぁと思って気にも止めずでした。

でも、この義母の言葉を皮切りに

続々と友人や知り合いから

《・つわりがそんな酷くなるなんて聞いたことない。

・気分転換してる?

・とにかく吐いても食べないと、体力もたないよ?

・病は木から!つわりは病気じゃない!》


と、悪意のない励ましの言葉にどんどん私は異常で誰からも理解されない、

1人なんだ。1人で堪えないといけないんだ。

と、孤独感でいっぱいでした。


ゼリーや果物、妊娠あるあるでよく聞く

マクドナルドのポテトなら食べれた説などのアドバイスや、

旦那さんともネットで調べてくれた、

つわり中に食べやすい物などを色々持ってきてくれて試してみたりもしましたが、

全て、何をしても嘔吐することしかありませんでした。


そんな日々のなか、

夜中に嘔吐した時、血を吐きました。

一瞬死を覚悟しましたが、

喉が焼けるように痛く、嘔吐しすぎて胃液で喉がやられてしまい、

喉からの吐血でした。


しかし、ここからがまた地獄の始まりで、

吐けば吐血、強烈な喉の痛み、

食事はおろか唾が喉を通るだけでも激痛。

嘔吐が苦しい、辛い、だけでなく、

痛みも加わることになりました。