第二話『もずくとコーラと八時限目』 | Lightning Builderのブログ

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「…八時限目?…何なんですか、それ。」
男性はフッっと笑い、
「ならば説明しよう!!」


八時限目とは?
・主な活動は超常現象の研究。
・活動場所は理科室。
・活動時間は放課後。
・生徒には公にされていない。
・学校側は理科室を使っている事のみ把握している。
・今年で7年目。


「こんなところだ。」
いや、訳分かんないよ。
「正直なところ、生徒が増えるのは良くないのだがな。まぁバレてしまった以上は君にも秘密を共有してもらおう。『八時限目』のメンバーになってくれ。拒否権はない。」
「…はぁ。」
こんな意味不明な部活(?)嫌だよ…。
「そうそう。名前を教えてくれ。」
男性は俺に顔を近づけて言った。俺は(♂的な)恐怖のあまり目をそらす。
「…1-G、広峰良平、です。」
「おう、広峰ってのか。1-Gには行ってないからなぁ。俺は化学の湯川、湯川忠雄だ。」
湯川先生。そういえば入学式に居た気がする。俺は基本、教師は『先生』って呼ぶから名前を覚えてなかったりするのだ。
「へぇ、広峰君っていうのか。俺は2-Aの月野拓夜。よろしくな。」
俺が理科室に入ったときに尋ねてきた生徒。というより先輩。
さっきと比べて大分抜けているカンジがする。
「そういえばさー、山下ちゃんって1-Gだったよね。」
月野先輩が同じ机の女子生徒に話しかける。
俺はそっちに目を向ける。
短めの髪を後ろの方で縛った少女。ネイティみたいになっている。
「ええ?あ、はい。確かに1-Gですけど…。」
そういえばそんな人いた気がする。
山下乙姫。1-Gの副委員長。
なんというかハキハキしていてクラスの男子からの人気が高い。
男女問わず教師のお気に入りだ。
しかし、だ。
通常、クラスのアイドルってのはロングじゃないか?
アニメとか漫画、ましてやドラマですらそれが鉄板だってのに。
現実ってのが一番超常現象でファンタジーだぜ…。
「広峰君とは口を聞いたことがないんで…、ね?」
山下さんはこちらに視線を向けてくる。
「…あはは、そうだね。」
適当に返す。俺と真逆の存在である山下さんとはあんまりうまが合いそうにない。
「そうなの?期待して損したぜ。」
月野先輩はわかりやすくヤレヤレという表情をすると机に戻っていった。
机には先ほど禍々しい気配を感じる原因と成った物体があった。
ビーカー、なのだが中には真っ黒な液体が入っている。
「…何なんですか?それ。」
「ん?コーラに『もずく』が入ってるんだよ。すごいよな。」
何がしたいんだ。確かにそれらをセットで飲んだら即死するなんて都市伝説を聞いたことあるけれど。
そこで月野先輩はポケットからラムネ菓子を取り出し、ビーカーに入れた。
「…ええ!?ちょっと、何やってるんですか!?」
久々にでかい声を出してしまった。炭酸飲料とラムネ菓子の実験は有名だがそれにもずくを交えるなんて狂っている。
「えっとね。暴発させたもずくコーラは暗黒物質に最も近いとされているんだ。すごいよな。」
何を根拠にしているんだ。暴発させずとも十分に暗黒物質だよ。
そんな時、飛び散ったコーラが顔に飛んでくる。
体が反射的に動いたが避けられず、コーラが口の中に入った。
もずくの食感とコーラの爽快感が口内に広がる。
今まで食べたことのない新世界な味だった。
「…まずすぎるわ!」
またしても叫んでしまった。
しかし月野先輩は俺の叫びには耳を傾けずに先生の所に向かった。
「先生!!」
「何だ!!」
「実験は失敗であります!!」
「そうか!!」
コントかよ。本当に意味不明な人達だ。
ふと、山下さんの方を見る。
今まで出会った人の中で最高の笑顔だった。
クラスでは中心的存在なのに、垢抜けているというのに。
どうしてここでの方が楽しそうなんだ。
「あ、広峰君大丈夫?食べちゃったみたいだけど。」
ふと声をかけられる。さっきよりも柔らかい感じだ。
流石はアイドルといったところか。
「…大丈夫なわけないじゃん。」
「あははっ、そうだよね!」
再び笑い出す彼女を見て、俺は何とも言えない気持ちになった。
…明日もここに来てみるか。



◆駄作っぽさが加速するぜ。ちなみに『もずくコーラ』がどんな物なのかは知りません。

 ひいばあちゃんがそんな話をしていた事を思い出しただけです。