いやー面白いですね、恋と選挙とチョコレート。。。
さて、んじゃ、うpりますかな
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Ep.5《理解するのは人間か、人生か》
終わってみると、結果は相も変わらずB組の圧勝で終わった。
しかし、流石に全員程度の違いこそあれ、その顔には疲労の色を滲ませていた。
「次は決勝か…」
「相手はA組で御座ろう」
隼人の呟きに、半蔵が律儀に答える。
「なにせ、今年のA組も化け物揃いらしいで御座るからな」
「へぇ、知ってるのか?」
「A組といえば学年の注目の的で御座る。三年生にE組からA組への下剋上を果たした御仁がおられるそうで御座るが、その殿方の存在によって、自分も化け物の仲間入りが果たせるのでは、と思う者も少なくないので御座る。それ故、A組の生徒には否応無しに注目が集まり、情報も露見するということで御座るな」
「そこまでしてA組になりたいのか?その話だと、化け物なんて呼ばれてるようじゃないか」
ところが、と半蔵は続ける。
「隼人殿の御意見はもっともで御座る。しかしながら、化け物と云われようと、それに見合うだけの価値はあるで御座るよ」
「価値?」
半蔵は片手でOKマークを作り、それのOの部分を上に、Kの部分を下にした。
「銭で御座る」
「…金?」
「この教導院は義務教育では御座らん。それ故、決して少なくない授業料が掛かるで御座る。その授業料、その他の資金の一切の免除。それが、A組最大にして最高の特権で御座る」
「ほぅ…」
確かにそれならば生徒のモチベーションも否応無く上がるだろう。
「そんな有名なA組で、最も警戒しなければならないのは誰だ?」
「織田勇次殿で御座る」
半蔵は即答した。
「織田勇次?」
「で御座る。彼は織田家の次男で『血統書付(ブランド)』に御座る。しかも、兄上殿は生徒会副会長の織田信宏殿なので御座る」
『血統書付』。それは過去から今までにおいて有力な力を得た家系の直系であることを表す。
有名なところでは織田や伊達などの戦国武将と呼ばれた豪傑を生み出してきた家系や、在原や小野などの貴族の家系、さらに天皇家である帝門家などで、戦国武将を輩出した家系を『戦国』の『血統書付』、貴族を輩出した家系を『貴族』の『血統書付』と呼んだりする場合がある。
「…そう、か」
すると、心配そうに半蔵がこちらを見てくる。
「どうかしたで御座るか?」
「いや、何でもない」
自分が心配されれば全体の士気に関わる。
隼人は首を振り、立ち上がる。
そこに、もう一人立ち上がる者がいた。
「ちょっと待てよ」
榊原だった。
「どうした、榊原」
「てめェ、俺ンところに敵がこねェのはどォいうことだよ、ァアン?」
隼人を睨みつける榊原。
「はぁ…」
「ァアン?なんだよ、その溜息はァ!」
「この際だからハッキリ言っておく」
その声は、何処までも冷めきり、榊原の怒りの炎を鎮火する。
「お前の欠点はそれだよ。その沸点の低いところだ。そんなんじゃ危なっかしくて前線は任せられない。俺たちがしているのは戦闘じゃなく相対だ」
榊原が俯く。だが、
「…だとしても、俺ァてめェを認めねェ…サッサと燃え散れこのヤロォォォオオ!!!!」
榊原の周りから炎が溢れる。
周りに座る者が慌ててその場を離れる。
「果てろォォオオ!!!!」
「こンの、クソバカヤロォォォオオ!!!!」
榊原の炎が隼人に届く前、隼人は虚空を蹴った。
ただそれだけの動作の様に見えた。
だが、
「?!」
突風が吹き荒ぶ。それも、ただの風ではない。台風ですら霞む程の勢いが、榊原の炎を吹き消す。
それと同時に、榊原もその風に圧され、壁に身体を打ち付ける。
「がッ…」
隼人は、打ち付けられた榊原の傍に行き、その胸倉を掴む。
「テメェはまだ懲りてねぇのか?!今までどれだけの人間に迷惑を掛けてきたと思ってる?!何にイラついてんのか知らねぇけど、テメェだけが辛いとか思ってんじゃねぇぞ!ここにいるヤツはみんな何かしら背負ってここまで来てんだ!!」
それは、悲痛の叫び。
ほんの一部ではあるが、隼人の真剣な、本気の叫び。
隼人は胸倉を離すと、みんなの方を向く。
そこにいるみんなの表情。
それは、悪人を懲らしめた英雄ではなく、未知のモノに対する不安や怯えだった。
これで終わり、か。
隼人はそう思った。
「俺ァ、必要なのか?」
微かに榊原が呟いた。
だが、隼人はそれには応えられない。
「必要に、決まってんじゃねぇか」
応えたのは、レオンだった。
「レオンハート…」
「腑抜けやがって。テメェがそんな性格だっていうのは解り切ってんだっつーの。だからこそ、隼人がお前を遊撃に選んだのに誰も反対しなかったんじゃねぇか」
「でもな、俺ァB組の編入生にすら負けちまうくれぇ弱くなっちまったんだ。そんな俺に、必要性なんて…」
「あるで御座る」
今度応えたのは…
「…お前…」
「…」
「…」
「さては名前忘れたので御座るなっ!?自分、そろそろポジションを理解してきたで御座るよ?!」
「で、どうした?半蔵」
レオンが半蔵に訊く。
「コホン…まぁ、隼人殿に負けたからといって、弱くなったとは限らないで御座る。反対に、自分たちB組でもA組に対抗できる戦力があると思えるので御座る。」
「そんな楽観的に…」
「何事も楽観的に捉えるべきなんだよ。なぁ、隼人?」
レオンに促され、隼人は反射的に頷いた。
「そうだな。次は決勝だ。こんなとこで内輪揉めしても、何の得にもならない。それとも、自分は誰にも理解されないとか思ってるなら、イタいぞ」
「んなッ…」
顔を真っ赤に染めて榊原が喰いかかろうとする。
なので、その言葉に被せる様に、
「誰にも理解されないなら、俺たちが理解してやる。俺たちにはお前が必要だ」
榊原は唖然とした後、顔を歪め、言った。
「この…クソッたれが…こんな俺を理解しようとか…最高に…バカだぜ…ァアン?」
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今回は榊原くんが改心します
彼も根はいい子なのです
んな感じでまた次回に

