無題ですぜ | You and I can (not) be "Genius"

You and I can (not) be "Genius"

喰人のブログ。。。

大好きなアニメのことや、毎日の生活などの話題が中心です。

たまーに自作小説を書いたりします


最近時間なくて小説しか載せてませんが、そろそろ普通のブログを書きたいと思いますな

今回は小説ですがwww

でわ、行きますか

ーーーーーーーーーーーーーーーー

Ep.18《烏が啼くのは死の賛歌》

午前零時、とある埠頭で、男と女が闇に紛れてヒソヒソと言葉を交わしていた。
「『聖女』はまだ捕まらないのか?!」
少し訛りのあるフランス語が埠頭の闇に消える。
「申し訳ありません」
それに答えるのは流暢なフランス語。良い声だが、文法にハマり過ぎて、逆におかしく聞こえる。
訛った言葉を操る男が金髪碧眼なのに対し、その女性は長い黒髪の
ポニーテール…ジパングの人間だった。
「教導院までは追跡できたのですが、そこで通信が途絶えまして…」
「さっさとひっ捕らえろ!儀式の準備は!?」
「既に完了しております」
黒髪の女性は通信枠を表示し、金髪の男に見せる。
そこには、銀の十字架に、同じく銀の鎖が映っていた。
「こんな極東の地まで来て手を掛けさせやがって…見つけ次第直ぐに捕獲、連行しろ!」
「了解しました。それで、私の他には誰を?」
「…『烏』だけでは足らんか?」
金髪の男はジロリと黒髪を睨む。
「向こうも国を代表する教導院。とてもではありませんが、私一人では…」
「相手は極東の猿共だ。蹴散らしてしまえ」
「お言葉ですが、私もその猿なのです」
言うと、金髪の男は忌々しそうに言った。
「なら、『獅子』を連れて行け。それ以上の増援は出来ん」
黒髪の女は何事か言おうとしたが、直ぐに口を噤んだ。
そして金髪の男は、そのまま闇に溶けていった。

聖誕祭から一夜明け、正に今、三年生のクラスマッチの決勝戦が行われようとしていた。
勝負するのはA組とB組。
フィールドとなるのは《森林》ステージ。全方向を木々に囲まれた密林が舞台となる。
そして、試合開始の合図が鳴った。
と同時、A組の陣地からその総力が飛び出した。

「総力攻撃、だと!?」
今だ保健室で安静にさせられている隼人は、会場を俯瞰するモニターを観ながら叫ぶことしか出来なかった。
彼も策士だが、流石にこの大胆な作戦には虚を突かれた。
「これ考えたの絶対副会長だな…」
「そうね…」
他のみんなよりも一足早くお見舞いに来ていたレオンと静は二人で頷き合っていた。
「副会長?」
「ああ。生徒会副会長の織田信宏さんだよ。A組の織田勇次の兄貴だってさ」
隼人が訊くと、レオンが答えた。
「すっっっごい闘い大好きで、笑いながら人を殺したとかいう噂もあるみたいよ」
苦笑しながら静も言う。
「あ、あの人だな」
レオンがモニターを指差す。
そこに映るのは口を大きく弓の様に曲げた大男だった。
身長は小柄な弟を超えるどころか、2mですら悠に超え、その腕や脚は筋肉に包まれ大木の様に太い。
隆起した胸板や腹筋が、服の上からでも容易に想像出来た。
圧倒的なまでの存在感。
隼人はオーラを信じない。
しかし、彼にはそのオーラを持っていると認めざるを得ない『何か』があった。
笑いながら敵を文字通り投げ捨てる様は猟奇的で、一種の狂気さえも思わせる。
敵陣へと一直線に進む姿はまるで重戦車。
彼を止める者は誰も居なかった。

信宏は失望していた。
いくらB組とはいえ、戦闘が全くなっていなかった。
これなら一年のB組の方がマシだと思いながらも、彼は決して手を緩めなかった。
自身の肉体を強化する術式に並行して対地空海用砲撃術式『華音砲』をマルチ・キャスト。
自身の口から発声させた音を圧縮し、半径6kmまで有効打を与えられる。
遣うフォースの量も少なく、簡単に扱える上、音であるため、陸空は勿論のこと、水中でも使用可能で汎用性が高く、多くの『聖神』が遣う人気術式だ。
果たして、その術式は敵のバリケードを突き破り、彼を更に奥へと誘う。
『信宏、もう少し左…そう、そこを真っ直ぐだ』
通信で、一人だけ陣地に残った夜雲が彼に進路の修正を伝える。
『信宏は直進出来るから楽でいいね』
夜雲は彼に言った。
機嫌がいいと夜雲の口調は優しくなる。
つまり今A組は優勢だということだ。
そのことにささやかな嬉しさを得ながら、彼は更に笑みを濃くする。

「副会長が進路を変えた…?」
【精霊の眼】を使っていた隼人がいち早くそれに気づいた。
「それに…相手の陣地まで一直線のルートだぞ…」

「隼人くんは今驚いてるかな?」
苦笑を漏らしながら、夜雲は独り呟いた。
『カッ、あいつなら直ぐに分かるだろうさ』
通信から信宏の声が届く。
『信宏くんの言う通りですよ、夜雲くん』
こちらは立花・宗茂の声だ。
「それはそうと宗茂、西にもう少し寄ってくれ。ズレてるぞ」
『あれ、そうかな?』
『カッ、「西国無双」が泣いてるぜ?』
「そういう信宏も、もう少し左だ」
『おっと』
「いくら直進出来るからって、手を抜くな。俺たちに求められているのは圧勝だ」
そう言って、夜雲は通信を切った。

立花・宗茂は、婚約者である立花・誾千代と共に戦場を駆けていた。
「宗茂様、こちらで大丈夫ですか?」
誾千代が、心配して声を掛ける。
「ええ。大丈夫ですよ、誾さん。夜雲くんは信頼出来ますから」
微笑んで言うと、誾千代もまた微笑みを返した。
そこへ、疾風が駆ける。
慌てた二人はその場で足踏みをする。
「これは、一体…」
その答えは、直ぐにやってきた。
「失礼。少しお聞きしたい事がございますので」
そこに立つのは長い黒髪のポニーテールの女性。
わざとらしく頭を下げ、ニコリともせずに問う。
「…何でしょうか」
一歩前に出て誾千代を半身で庇いながら宗茂は言った。
「『聖女』は、何処でしょうか?」
宗茂は戸惑った。
相手の言う『聖女』がジャンヌの事を指しているのは分かる。
しかし、彼女の存在は2-Aの生徒と、生徒会役員、そして風紀委員長である春馬と副委員長の自分しか知らないはずだ。
「…さぁ?」
よって彼はシラを切った。
「…なら、仕方ありませんね」
相手が嘆息した瞬間、宗茂を砲撃の雨が包んだ。

ーーーーーーーーーーーーーーーー

次はライオンさんが出てきます

歴史好きなひとはわかりますかね
『相模の獅子』さんです

でわ、また次回