この記事には、備忘録的に
「夏井いつきの一句一遊」のお題のために詠んだ俳句の中から、
〇撰外
〇投句しなかった句
をまとめます。
自分の反省帳であり、お勉強ノートのようなもので、
これを更新することの告知はtwitterでも特に行わないつもりです。
詠まれなければとっておいて推敲して別の機会に投句するという
ことも聞きますが、そうしたほうがよいんでしょうか、どうなんでしょうか。
(2022/12/20)
【おしあな】
(撰外)
おしあなや子は白黒の早回し
おしあなやコロナもせめて季語になれ
おしあなを得て船頭の皮算用
こうしてみるとかなり無理に詠んだ感じがありますね。
【残菊】
(撰外)
残菊やきのふの恥を折り綴ぢて
窓揺らぐ夜残菊寄り合ふて朝
棺挽くセイラアの背や菊残る
(未投句)
残菊を供へし鉢も眠る夜半
野に小さきくつあと伸びて残り菊
酔眼に白し残菊明日も雨
羽織にてブウルヴァアルや残り菊
【「理」(漢字)】
(撰外)
理解ある夫とは何か古米研ぐ
大理石みな摸造なる家寒し
理論的、理論的って破れ傘
大理石、は「大理石のかりがね寒き社長室」(銀曜日)で
ははあなるほどこう受けるのか…と思いました。季語としてもまったく存じ上げなかったです。
【雪囲い】
(撰外)
われこそはかべ守りの騎士雪囲い
雪囲いスクラム強化にスクワット
あとから見ると非常に恥ずかしい。撰を頂いた句が金曜だっただけに。
迷走していた感じはありますね。
(未投句)
千年の美酒育めよ雪囲い
雪囲い男結びの揃う庭
蜘蛛の巣を払いて組し雪囲い
まっさらの板買い足して雪囲い
このところ無聊を託つ雪囲い
練習問題を解くように五七・七五で詠んでみましたが、
あくまで練習問題といった趣。同趣旨で印象に残る句はたくさんあって、
たとえば「五段目の急所」だとか、「そこだけ新しい」だとか。
【鯛焼】
(撰外)
たひやきの餡にぞ燻る歓喜天 (燻る=くゆる)
鯛焼や遥けき友の孕みしと
鯛焼の耐油紙ごしね太陽軒
(未投句)
鯛焼や街灯も弾み歩いて来
投句がとても多かったのだそうです、さもありなん。
たいやき美味しいもんね。
【歳暮】
(撰外)
歳暮はないつもおんなしものなんや
歳暮なき都市(まち)もとっぷり三畳間
当直医歳暮の菓子を引っ掴み
これは振り返るとちょっと技術の貧困を感じますね。
もっと練って詰めてができたのではないか、みたいな。
【結】
(撰外)
結びゆい飲めぬ師走の夜ぽつん
一結を擦って転んで神無月
やや、やけになっています。絞り出すかの如く。