父への尊敬


そんなのした事なかった

DV親父

ひたすら軽蔑してた

家族を虐げるだけ


そんな父も

2年前に他界


死ぬ前

あんな父でも

弱っていった

体だけでなく心も


優しくもなった

嘘のように


放射線治療をしていた

苦しいだろうに

弱音を吐かず

頑張っていた


死んだ日

声も出せないくらい

弱っていた

僕と二人きりの病室

突然、上体を起こし

「母さんを休ませてあげて」

僕だけが聞いた

最後の精一杯の言葉


考えてたんだ

家族の事も


60年近く

働きづくめ

偉い根性だ


きっと家族がいたからだろうな


そんな僕は無職

精神疾患を理由に


父はすごいんだな

改めて思う


母への敬意も忘れず

過ちを繰り返さない努力もしないと。