さて、雑紙「ニュートン」から。
天才物理学者、ニュートンの登場。
ニュートンは、1687年に出版した「自然哲学の数学的諸原理(プリンキピア・マセマティカ)」は、物体の運動の原理を数学的に説明し、それ以降、世界の物理学は、この本を基本として、進められることになる。
まさに、「物理の法則」は、すべて「数学」によって、支配されていることを、ニュートンは、証明した。
ニュートンと言えば、「万有引力」を発見したことで有名。
この時、ニュートンは、「リンゴが木から落ちるのを見て、『引力』の存在に気がついた」と言われていますが、もちろん、事実ではない。
ニュートンが気がついたのは、「リンゴが木から落ちる」現象と、「地球の周囲を、月が回っている」という現象が、「同じ力」によるものだということに気がついたこと。
なぜ、ニュートンは、このことに気がついたのか。
月は、地球の周囲を、回っている。
そのため、地球から、何の力も受けていなければ、月は、「遠心力」で、遠くに、飛んで行ってしまうはず。
つまり、月が、遠心力によって、地球から離れて行かないということは、月は、地球に、引っ張られているということ。
これは、「リンゴが、木から、地球に落下をする」つまり、「リンゴを、地球が、引っ張っている」ということと同じだ、と、言うことに、ニュートンは、気がついた。
これ以前、社会の常識として、「地球上」の物理現象と、「天体の運動」は、全く、別の原理によって動いていると考えられていたそう。
しかし、ニュートンは、「地球上」の現象も、「宇宙」の現象も、同じものだということに気がついた。
ここが、革新的なところ。
そして、この「天体の運動」を、「数学」によって説明するために、ニュートンは「微分積分」法を生み出した。
自分の理論を証明するために、新しい「数学」を生み出したというのも、また、凄い。
しかし、ニュートンは、「プリンキピア・マセマティカ」を記す時に、自ら発明した「微分積分」ではなく、「幾何学」を使って、証明をしているそうです。
それは、当時、「数学」といえば、基本的に「幾何学」というのが、常識だったから。
しかし、この時、ニュートンの生み出した「微分積分」は、それから、様々な分野で活用される、重要な「数学」となる。
ちなみに、同時期に、ライプニッツという人物が、独自に、「微分積分」を発明していて、どちらが最初なのかというのが、色々と議論をされるところのようです。
この、ニュートンが構築した物理学は、全ての物理現象を証明出来ると考えられていました。
しかし、その常識が、実は、間違っていたということを証明したのが、アインシュタインの「相対性理論」です。
アインシュタインは、まず、「特殊相対性理論」を発表しますが、これは、「重力」の影響を考慮しない、「特殊な環境」での「相対性理論」です。
そして、この「特殊相対性理論」を、「重力」の中でも通用する「一般相対性理論」に発展させるために、アインシュタインは、数学者の力を借りています。
この「一般相対性理論」の構築に、アインシュタインが、数学者に協力をしてもらったという話は、以前、どこかで見て、知っていました。
しかし、数学者が、具体的に、どのような協力をしたのかというところまでは、知らなかった。
実は、アインシュタインが、「一般相対性理論」の証明で、一番、悩んでいたのは、「時空の歪み」を、「数学」によって、どう表現すれば良いのかということ。
この、アインシュタインの相談に応じたのが、友人の「マルセル・グロスマン」という数学者で、彼が提案したのが「リーマン幾何学」というもの。
この「リーマン幾何学」は、ドイツの数学者「ベルンハルト・リーマン」が生み出した、「曲がった空間」を扱う「幾何学」です。
ここでもまた、純粋な「数学」として生み出されたものが、実際の、「宇宙」の仕組みを証明するのに、力を発揮した。
アインシュタインは、この「リーマン幾何学」を使うことで、重力による、「時空の歪み」を証明することで「一般相対性理論」の構築に成功する。
そして、この「一般相対性理論」に登場する「アインシュタイン方程式」を解くことで、宇宙の、様々な現象を、知ることが出来る。
そして、方程式を解くことで、「宇宙が膨張している」こと、重力崩壊によって「ブラックホール」が出現すること、などが、理論的に発見され、後に、実際に、観測によって、その理論が、正しかったということが証明される。
近年では、「一般相対性理論」により、その存在が知られていた「重力波」を捕らえることに成功をしたことが、大きなニュースになっていましたね。
数式を解くことによって予言され、その後、観測で確認され、事実だと証明される。
とても、不思議です。