池波正太郎さんと言えば、「鬼平犯科帳」「剣客商売」「仕掛人・藤枝梅安」を始め、人気時代小説が多くあります。

僕も、昔、いくつか読みましたが、やはり、最も、大好きで、面白いのが大河歴史小説「真田太平記」です。

 

 

 

武田家の滅亡から、真田信之が信州松代に転封されるまで、真田昌幸、幸村、信之の生き様を描いた名作です。

そして、表舞台の戦国武将たちの戦いの裏で「草の者」と呼ばれる忍者たちの戦いが繰り広げられる。

真田家に仕える忍者たちと、徳川家に仕える忍者たちの、人知れず、繰り広げられる戦いが、また、面白い。

 

この「真田太平記」は、昔、NHKが「水曜時代劇」といって、毎週、水曜日の夜八時から、一年に渡って、大河ドラマのように放送された時代劇の一つ。

第一弾が、吉川英治原作の「宮本武蔵」で、第二弾が、池波正太郎原作の「真田太平記」でした。

どちらも、とても、面白かった。

 

真田昌幸を丹波哲郎さん、真田幸村を草刈正雄さん、真田信之を渡瀬恒彦さんが演じていました。

真田幸村の草刈さんが、実に、格好良かったんですよね。

大坂夏の陣での幸村が自害をするシーンは、感動的で、未だに、覚えています。

 

さて、少し、余談。

 

本来、真田幸綱の嫡男は、信綱で、次男は昌輝、三男が昌幸。

真田家の家督は、嫡男である信綱が継いでいる訳で、昌幸は、人質として、武田信玄の元に送られていた。

しかし、その優れた才能に目を付けた信玄は、昌幸を重用し、武藤家を継がせていたよう。

しかし、真田信綱、昌輝、共に、長篠の戦いで戦死。

昌幸は、真田家の家督を継ぐことになる。

 

もし、昌幸が、真田家当主にならなければ、武田家滅亡以降、真田家は、もっと違った運命をたどっていたことでしょう。

真田家が、徳川氏、北条氏、上杉氏といった強敵の間で、見事に生き残ることが出来たのは、昌幸の手腕が大きい訳で、信綱、または昌輝が、真田家を継いでいたら、真田家は、どうなっていたことか。

 

また、昌幸の活躍が無ければ、大坂の陣での真田幸村の活躍も無かった訳で、恐らく、「真田氏」の認知度は、かなり、低いものになっていたことでしょう。

 

ちなみに、堺雅人さんが主演をした大河ドラマ「真田丸」では、真田幸村ではなく、真田信繁となっていましたよね。

この「幸村」という名前は、後世に、誰かが名付けて、広まったもので、本当の名前ではない。

本当の名前は「信繁」が正しい。

しかし、ややこしいのは、真田家の正式な家系図が「信繁」ではなく「幸村」と記しているということで、それだけ、「真田幸村」の名前が、世間に認知をされていたということなのでしょう。

それだけ、「真田幸村」の大坂の陣での活躍が、世間に大きなインパクトを残し、語り継がれていたということなのでしょう。

 

「虎は死して皮を残し、人は死して名を残す」

 

と言うそうですが、真田幸村の場合は、まさに、そういうことですよね。