夢枕獏さんの小説「陰陽師」は、以前、大きなブームになりましたよね。
僕も、当時、何冊か読みましたが、とても、面白い。
そもそも、「陰陽師」とは、何なのか。
ネットで調べてみる。
陰陽師とは、元々、古代の律令制度の中の官職の一つ。
陰陽五行思想に基づく、陰陽道によって「占筮」(せんぜい)、及び、地層識などを掌とする技官だということ。
つまり、現代で言う「占い師」「風水師」のようなものだったのでしょう。
天体観測や「暦」の作成も、陰陽師の仕事だったそう。
中世、近世では、民間で私的に、祈祷や占術を行う者を指して言ったそう。
小説の中の陰陽師は、いわゆる「妖術使い」ですよね。
様々な不思議な現象を起こし、難題を解決して行く。
小説「陰陽師」は、基本的に、短編小説。
しかし、個人的に、最も、面白いと思ったのは、長編小説の「瀧夜叉姫」です。
この「瀧夜叉姫」とは、平将門の娘。
物語は、すでに死者となったはずの平将門を巡って進む。
安倍晴明と共に、活躍をするが「俵藤太」という人物です。
この「俵藤太」とは、藤原秀郷のこと。
藤原秀郷は、下野国で大きな力を持った豪族で、関東で大きな勢力を築いた平将門を打ち破り、戦死させることになる。
この「平将門を討った」ということで、藤原秀郷を祖とする「秀郷流藤原氏」は、清和源氏、桓武平氏と並ぶ、「武家の名門」の血統となる。
藤原秀郷もまた、興味のある人物ですが、藤原秀郷個人に焦点を当てた本というのは、この本くらいなのではないでしょうか。
しかし、やはり、関連史料は、あまり多く無いようで、実像は、あまり、はっきりとしないよう。
ちなみに、源頼政が「鵺」を退治したように、藤原秀郷には、近江国で大蛇を退治したという伝説がある。
それが「俵藤太物語」と呼ばれるもの。
やはり、優れた武士は、「物の怪」を退治する力があるということです。