森鴎外の代表作として、よく挙げられる作品の一つが「舞姫」ではないでしょうかね。

しかし、この「舞姫」は、文語調の文章で書かれているので、なかなか、読みづらい。

僕も、昔は、途中で挫折をしてしまったのですが、今、読み直してみると、それほど、難解な語句が、数多く使われているという訳ではなく、何となく、内容を読み取ることは出来ます。

小説としての完成度は高く、物語の展開も、しっかりとしていて分かり易い。

短い作品でもあるので、文語調の小説にチャレンジをしてみようと思う人には、良い作品かも。

 

 

 

簡単に、物語を紹介します。

完全に読み解きが出来ている訳ではないので、誤解もあるかも知れません。

 

主人公は、太田豊太郎。

招来を嘱望されて、ドイツに留学し、勉強中。

しかし、自分の将来に、疑問も感じ始めている。

そんな時、豊太郎は、エリスという女性に出会う。

エリスは、「舞姫」の仕事をしていた。

つまり、「ダンサー」ということ。

舞姫の仕事は、華やかで、奇麗だが、薄給でもある。

豊太郎は、エリスに魅かれ、交際を始めるが、それを咎められ、留学生としての仕事を首になる。

豊太郎は、別の仕事に就き、エリスと共に生活を始める。

そして、エリスは、妊娠。

が、豊太郎の将来を心配した親友の相沢兼吉は、ドイツに来た天方大臣の仕事に豊太郎を同行させることに。

豊太郎は、大臣に、その仕事ぶりを高く評価され、日本に戻って仕事をしろと誘われる。

豊太郎は、それを断ることが出来ず、承諾。

しかし、エリスの元に戻った豊太郎は、子供が出来ることを楽しみにしているエリスに、その意思を告げることが出来ず、病気になり、寝込んでしまう。

そして、相沢が、代わりに、豊太郎が日本に戻ることをエリスに伝えるが、エリスは、それを聞き、精神のバランスを崩し、発狂してしまう。

エリスが、病院に入り、豊太郎は、エリスと、生まれるはずの子供を残して、帰国をすることに。

 

「石炭をば、早や、積み果てつ」

 

冒頭の、この一文は、有名で、個人的にも、大好き。

 

この小説「舞姫」には、「モデルは誰なのか」という話が、色々とあるようですが、小説の内容自体には、あまり、関係の無いことでしょう。

いわゆる、下世話な話なのではないかと思います。