さそうあきらさんの漫画「花に問ひたまへ」。
僕が、これまでに読んだ漫画の中で、最も、好きな作品の一つです。
主人公は、視覚障害のある青年、一太郎。
生まれつきの視覚障害で、辛い生い立ちがあるのだが、日々、明るく、前向きに、飄々を生きている。
一方、家族にも、仕事にも不満を抱え、日々、やさぐれた生活をしている女性、ちはや。
ちはやと一太郎が、偶然、駅で出会うところから、この物語は、始まる。
自分と接する一太郎の、飄々とした、雰囲気と行動から、ちはやは、次第に、影響を受け、仲間を得て、日々、喜びを感じるようになって行く。
「目が見えない」というのは、どういうことか。
なかなか、目が見えている人には、想像をすることが難しい。
視覚障害の他にも、障害を抱えている人は多い。
しかし、それでも、人は、生きて行かなければならない訳で、どうせなら、楽しく、幸せに生きて行く方が、良い。
もう一つ、視覚障害のある人を主人公にした漫画で、面白かったのが「ましろ日」。
この「ましろ日」の主人公は、ある日、事故で、両目を失うことになる。
突然、視覚を失ってしまった主人公は、当然、失意のどん底に落ち込む訳ですが、周囲の人たちの支えを得て、立ち直りの道を進むことに。
その中で、主人公は、「ブラインドマラソン」に出会い、熱中をすることになる。
少し、余談。
この「ましろ日」には、主人公が、ブラインドマラソンに出会うきっかけになり、その後、ライバルにもなる視覚障害者が出て来ますが、彼は、いわゆる「良い人」ではない。
もしかすると、健常者の人は、障害のある人は「悪い事はしないのでは」という感覚を持っているのかも知れない。
しかし、障害のある人も、「普通の人」であるというのは、当たり前のこと。
「悪い人」も居れば、「変な人」も居る。
ちなみに、筒井康隆さんの小説「ロートレック荘事件」では、障害のある人が、犯人だったような記憶が。
しかし、このような物語を作るのは、実際には、なかなか、難しいのかも。