神風特別攻撃隊。
この「神風」は、本来、「しんぷう」と読むそうですが、当時から「かみかぜ」と読む方が、一般に広まっていたそうですね。
多くの人が知っている通り、この「特別攻撃隊」とは、「死」を前提にした「体当たり」の攻撃。
つまり、この「特別攻撃隊」として出撃をした人は、確実に、「死」を前提にしている。
城山三郎「指揮官たちの特攻」という本があります。
この本は、太平洋戦争で、最初の「神風特別攻撃隊」の隊長だった関行男大尉と、最後の「特別攻撃隊」の隊長だった中津留達雄大尉の、二人の人生を追ったもの。
この二人が、どのような人物で、なぜ、「特別攻撃隊」の隊長になり、なぜ、出撃をして行ったのか。
二人が、「特別攻撃隊」に対して、どのような思いを持っていたのか。
二人は、偶然にも、海軍兵学校の同期で、同じ「艦上爆撃機」の士官搭乗員だった。
そして、出撃をし、戦死した時には、まだ23歳。
「兵士」という存在は、戦場で、「死ぬ」可能性が高い。
しかし、この「特別攻撃隊」は、必ず、「死ぬ」ということを前提にしているということで、「異常」ということになる。
この「特別攻撃隊」に指名された兵士、搭乗員たちは、どのような思いで、出撃をして行ったのか。
多くの人たちに、ぜひ、読んでもらいたい本。
実は、この作品の著者である城山三郎さん自身が、この「特別攻撃隊」の隊員として、終戦を迎えている。
城山さんが所属をしていたのは「伏龍特別攻撃隊」と呼ばれる部隊。
この「伏龍特別攻撃隊」は、特殊な潜水服を着て、海底に潜み、棒の先につけた機雷で、上陸をして来るアメリカ軍の船を攻撃しようという無茶なもの。
幸い、この「伏龍特別攻撃隊」は、実戦に出ることなく、終戦を迎えている。
この「神風特別攻撃隊」の写真を見たり、動画を見たりする機会のある人も多いはず。
その時には、今、まさに、敵艦に体当たりしようとする航空機には、「生きている人間」が乗って、操縦をしているんだということを意識して見てもらいたいところ。
そして、次の瞬間、その「生きている人」は、確実に、死んでいる。
非常に、悲しいこと。
少し、余談。
今、暴走族や、いきがった若者が「特攻服」というものを着ていますよね。
あれを「特攻服」と呼ぶことに、個人的に、憤りを感じている。
命をかけて、国を、家族を守ろうとした人たちを、彼らと一緒にして欲しくないところです。