倉敷市児島由加に「瑜伽山」という山があります。
標高は274メートルで、通称は「由加山」と言い、こちらの方が、有名でしょう。
この由加山の山頂近くには、由加山蓮台寺というお寺と、由加神社本宮という神社があります。
神仏習合の時代だった江戸時代までは、蓮台寺も由加神社本宮も、一体化をしていたのでしょう。
そして、四国讃岐国の金比羅山と、備前国児島の由加山は、「両参り」と言って、双方を参拝する参拝客で賑わっていたそうです。
由加神社本宮に向かう参道に沿って、門前町があります。
かつては、当然、山の麓から参道が続いていたのでしょう。
そして、四国から児島に渡って来る人の玄関口は児島田の口の港だったそうで、そこには、今でも、由加山に向かう鳥居と、港近くに、門前町の名残があります。
今は、車で、相当、山の上まで登ることが出来、駐車場もあります。
駐車場にある、由加山の案内板。
そして、駐車場近くの、参道の入口。
鳥居をくぐると、
参道風景。
参道には、所々に、このようなものがあります。
昔の由加山を信仰していた人が、寄進をして作ったものでしょう。
上の写真には、備前国牛窓の文字がある。
京都、近江屋という文字があります。
あの、坂本龍馬が暗殺された京都の近江屋と、何か、関係があるのでしょうか。
備後国。
阿波国徳島。
大坂、京都の文字が。
京都、大坂、堺の文字。
播磨国龍野の文字。
小豆島、下津井の文字。
どうも、京都以西から、四国辺りまでの人たちが、寄進をしているようです。
京都から東には、由加山の信仰は、あまり強くなかったということなのでしょうか。
この鳥居から、石段を登ると、由加神社本宮。
鳥居の左右には広場があり、そこには、昔、奉納されたのであろう、大きな石灯篭が、いくつもあります。
石段を登ると、右手に、備前焼で作られたという鳥居があります。
こちらが、由加神社本宮の参拝経路のよう。
石段を登って、正面には、奥の院があるよう。
由加山の門前には、山の上であるにも関わらず、住宅地があります。
恐らく、そこに住む人たちは、かつて、参拝客を相手に、仕事をしていた人たちなのでしょう。
かつては、それだけ、多くの参拝客で、賑わっていたということですよね。
今でも、正月の初詣の時期には、参拝客は多いようですが、普段は、そこに住む人たちは、山の下の町に仕事に出かけているのだろうと思います。
車に乗ることが出来る人は良いですが、子供や、お年寄りなどは、かなり、不便な生活をしているのではないでしょうかね。