前回の記事で、
植物のことをあれこれ書いたのですが
今回も植物のこと。
といっても、もっと実用的なお話です。
まずは、こちらの本から。
植物と土と細菌の関係について
詳しく書かれていますが、
今回は特に、植物とミネラルの関係について。
神社などにに興味のある人は
「磐座(いわくら)」にも
惹かれることが多いのではないかと思います。
巨石の鎮座する場所を
聖地として守ってきた歴史は世界中にあり、
日本でも信仰の対象となる岩を
「磐座」として大切にしてきました。
磐座のある小山の下には、
その集落の水場があることが多いそうです。
その水を守るために寺社や祠が建てられ、
「鎮守の杜」として環境が守られてきた、と。
磐座信仰にはそのような側面もあるようですが
そもそも、人はなぜ、
「露出した巨石に神秘的なエネルギー」を感じて
信仰してきたのか。
その理由のひとつを、
『土中環境』の本の中では
「露出した岩」が
周辺環境を息づかせる要となるから
とありました。
あらゆる生命において、細胞を構成するのには有機成分だけでなく、微量ながらもミネラルが必須となります。
ミネラルとは、鉄やアルミニウム、ナトリウムなど多種類の無機成分を総称します。
つまりこれは、多元素が共存することで初めて、生命のバランスが保たれることを意味します。
植物に必要な土中のミネラルは、土中深くの母岩から、ゆっくりと供給されます。
それだけでなく、実は、磐座を始めとする露岩が、土中深くの母岩からの供給量とは比較にならないほど、膨大で持続的なミネラルの供給源となっているのです。
「磐座を始めとする露岩」が、
周辺の土壌へのミネラルの供給源になっている、と。
特に「しっとりとして苔むした状態」の露岩は
森にとって重要な役割を果たしているのだそうです。
「しっとりとして苔むした状態」ということは
「岩の亀裂に菌糸が張り巡らされている状態」で
地表にありながら、岩は乾燥せずに済むらしいです。
なぜなら
菌糸が土中や空気中の水分を補足するから。
そのため
岩の表面の保水性が保たれ、コケも繁殖できる。
さらに時間が経つと、コケ類だけでなく
樹木の根までも岩の表面や亀裂に伸びていき、
露岩ごと周辺の土壌を強固にする。
その保水性バッチリの環境の中で
露岩からは、土中の岩石よりも
はるかに多くのミネラルが
土に溶け出すそうです。
土の世界がいのちを生み出す拠点となるためには、有機物と無機物、菌糸を介したエネルギーや養分の循環が必要です。
そして、その要の一つが露岩であり、そこに苔むして菌糸が覆うことで、初めてミネラル分が半永久的に土中に供給されるのです。
そこが菌糸を媒介して有機物や無機物を含むいのちの循環の要となり、木と土が共に育っていきます。
そういう環境をかつては「杜」と呼び、神聖な場所として大切にされてきました。
フリー素材からお借りした、
苔むした露岩のそばで立派な根を張る樹木↓
苔に覆われた北八ヶ岳の森に差し込む光(八ヶ岳連峰)
「塚や墓標、灯篭、石塔等の屋外の石造物は、
かつてはあえて表面を磨くことなく、ノミ跡を残すなど、
苔の載りやすい状態に加工してきたことからも
先人の深い知恵を感じます。」
こちらもフリー素材。苔の石灯篭
古い灯ろうなどが苔むしているのは、
もちろん風化で表面がザラつくこともあるでしょうが
経年劣化や技術的な問題だけでなく、
「あえてノミ跡を残す」ことで
苔の載りやすい状態に加工していた、というのは
知りませんでした…。
さて。
ミネラルが「豊かな森」にとって大事ということで。
今回はこちら。
「ミネチット」という
植物用のミネラル水を使って
スーパーで売ってる豆苗を育ててみました。
食べられる野菜が少ないヒノデさんも
大好きな豆苗。(油いために限る)
あれ、一度食べたあと
水につけて育てるって人も多いかと思います。
こんな感じ↓
このくらい育ったら、収穫して食べてます。
簡単だし、観察するのも楽しいし、
一粒で何度もおいしい…みたいな感じ(^^)
実験では、豆苗を2袋買ってきて
ミネラルを与えたものと与えないもので
育ち方がどう違うのか、比べてみました。
といっても
去年の冬にやったんですけどね。
そのときはブログが開店休業中だったので
すっかり忘れてた…。
でも、植物について色々考えさせられた
このタイミングでよかったのかもしれません。
ということで、実験がコチラ。
わかりやすいように、最初だけ、デカイ画像
左が水道水、右がミネチット入り。
水は1、2日に一回とりかえ。(冬以外は毎日やった方が良いかと)
その都度
右にはミネチットを数滴入れています。(5滴くらいかな)
写真では常に右がミネチット入りですが
普段は時々左右を入れ替えたので
「水」以外の栽培条件は同じだと思います。
以降の画像でも同じく。
左が水道水、右がミネチット入り。
2、3日後(確か)↓
この辺まではあまり変わりなし
さらに数日後↓
横からみるとそれほど違いはないけど
上からみると、
ミネラル入り(右)の方が、わっさわさ。
さらに数日が経ち。
真横から見ても
違いがわかるように↓(右ミネラル)
上から見るとさらによくわかる↓
あと、水の量に注目。
水位はどちらも同じくらいにしてますが
吸収が明らかに違います↓
ミネラル入り(右)の方は、
水が吸われてほとんど残ってない。
根にも勢いがあります。
水は、吸収だけでなく、色とにおいも違うんです。
水道水の方はだんだん茶色くなって、
ちょっとニオイもしてきますが(豆っぽい?におい)
右のミネラル入りは、ほぼ透明で
においもなくサラッとしている。
収穫後にプラ容器を洗ったときも
水道水の方は底がヌルっとしてましたが
ミネラル入りはキュッとしてました。
最後。収穫直前↓
一目瞭然。
思ってた以上に、違いが出ました。
冒頭の『土中環境』の本の中にありましたが
多元素が共存することで初めて、生命のバランスが保たれる
というのは、森の生命のバランスはもちろん
人体にも当てはまるわけで
改めて、豆苗実験で
ミネラルが足りてるのと足りてないのとでは
「これだけ違うんだな~」と実感しています。
今回使わせてもらった植物用の「ミネチット」を使う前から
同じメーカーの「希望の命水」というミネラル水を飲んでいます。
こちらのミネラル関連のシリーズには
他にも色々お世話になっています。
人間が飲む用のミネラルが中央のペットボトルなんですが
これも、クワガタにまつわる
面白いエピソードがあります。
が、長くなるので今日はこれにて。
興味のある方は、
販売元のJESさんのスタッフブログを見てみてください。
会員になると安く買えるんですが、
9月までキャンペーン中だそうです~。